米8月雇用統計、非農業部門雇用者数は前月比137.1万人増―市場予想中央値上回る

経済

2020/9/7 10:02

<チェックポイント>

●雇用者増は政府部門の急増が大きく寄与

●失業率8.4%―市場予想9.8%を下回り改善進む

●平均時給、前月比0.4%増―7月は同0.1%増

 米労働省が7日発表した8月雇用統計で、非農業部門雇用者数は、前月比137万1000人増と、7月の173万4000人増から伸びが鈍化したが、市場予想120万-140万人増の中央値を上回った。

 一方、過去2カ月(6-7月)の新規雇用者数が改定された。7月は前回発表時の前月比176万3000人増から同173万4000人増に、6月は同479万1000人増から同478万1000人増に、それぞれ下方改定された。

 7月の非農業部門雇用者数の内訳は、民間部門が前月比102万7000人増と、7月の同148万1000人増に続き、4カ月連続の増加となった。他方、政府部門は学校関係者と国勢調査要員の採用増(23万8000人増)により、7月の同25万3000人増を上回る同34万4000人増と、3カ月連続で増加し、全体の押し上げに寄与した。

 業種別では、建設業や製造業に加え、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な感染拡大)の影響を最も強く受けたサービス業、なかでもレジャー・接客業(主にレストラン・バーなどの飲食業)や専門・ビジネスサービス業、小売業、教育・ヘルス(健康サービス)業が引き続き大幅増となった。

 失業率は8.4%と、4カ月連続で大幅に改善し、市場予想の9.8%を大きく下回った。また、いわゆる広義の失業率(狭義の失業者数に仕事を探すことに意欲を失った労働者数と経済的理由でパート労働しか見つからなかった労働者数を加えた実質の失業率)は季節調整後で14.2%と、7月の16.5%から低下した。

 失業者数のうち、約46%に相当する約616万人(7月は56%に相当する約923万人)が経済活動の自粛によって発生した「一時帰休による失業者」に分類されている。8月はこの一時帰休者数が7月に比べ約307万人減少した。これはその分、経済活動の再開により、職場復帰したことを意味する。7月の134万人減に比べると、2.3倍も職場に復帰したことになり、景気回復が進んでいることを示す。

 労働市場への参加の程度を示す労働参加率(軍人を除く16歳以上の総人口で労働力人口を割ったもの)も61.7%と、7月の61.4%や6月の61.5%、5月の60.8%、4月の60.2%を上回り、労働市場の状況が改善したことを示した。

 また、市場が注目していた賃金(平均時給)の伸びは、前月比0.4%増と、7月の0.1%増に続いて2カ月連続の増加となった。市場予想の同横ばいを上回った。これは経済活動の再開後、サービス業を中心とした低賃金労働者の職場復帰が一段落したためだ。前年比は4.7%増と、7月から横ばいだった。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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