日経平均は241円安と大幅反落、日銀ETF買い観測など支えに下げ渋るも戻り限定=9日後場
9日後場の日経平均株価は前日比241円59銭安の2万3032円54銭と大幅反落。朝方は、8日の米国株式がハイテク株中心に下落した流れを受け、売り優勢で始まった。英製薬大手アストラゼネカとオックスフォード大が共同開発する新型コロナウイルスワクチンで安全性の懸念が生じ、最終段階の臨床試験(治験)を中断していると報じられたことも重しとなり、一時2万2878円71銭(前日比395円42銭安)まで下押し、前引けにかけて安値圏で推移した。後場は、日銀のETF(上場投資信託)買い観測を支えに下げ渋った。時間外取引での米ナスダック100先物高も持ち直しにつながったが、戻りは限定された。
東証1部の出来高は13億6045万株、売買代金は2兆4180億円。騰落銘柄数は値上がり588銘柄、値下がり1497銘柄、変わらず87銘柄。
市場からは「日銀のETF買いが入ったとみられるが、日経平均2万3000円割れは押し目買いが入りやすい水準でもある。ただ、上値は相変わらず重い。米ハイテク株安への警戒感は消えておらず、結局は外部要因頼みになる」(準大手証券)との声が聞かれた。
業種別では、国際帝石<1605.T>、石油資源<1662.T>などの鉱業株が下落。三菱UFJ<8306.T>、三井住友<8316.T>、みずほ<8411.T>などの銀行株や、三井不<8801.T>、三菱地所<8802.T>、住友不<8830.T>などの不動産株も売られた。トヨタ<7203.T>、ホンダ<7267.T>、SUBARU<7270.T>などの輸送用機器株も値を下げた。大和証G<8601.T>、マネックスG<8698.T>などの証券商品先物株や、SOMPOH<8630.T>、T&DHD<8795.T>などの保険株も安い。ソフバンG<9984.T>、ZHD<4689.T>などの情報通信株も軟調。
半面、川崎汽<9107.T>、商船三井<9104.T>、郵船<9101.T>などの海運株が上昇。任天堂<7974.T>などのその他製品株も堅調。日本製鉄<5401.T>、日立金<5486.T>などの鉄鋼株や、東海カ<5301.T>、AGC<5201.T>などのガラス土石株も買われた。
個別では、アルトナー<2163.T>、富士製薬<4554.T>、福島銀行<8562.T>、ダントーHD<5337.T>、enish<3667.T>などの下げが目立った。半面、ダイヤHD<6699.T>がストップ高となり、コーセーRE<3246.T>、ショーケース<3909.T>、ヒノキヤG<1413.T>、アレンザHD<3546.T>などの上げも目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、29業種が下落した。
(写真:123RF)
提供:モーニングスター社
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