米8月新築住宅販売件数、前月比4.8%増の101.1万戸―市場予想大幅に上回る
2020/9/25 9:53
<チェックポイント>
●4カ月連続で増加―100万戸超は06年11月以来
●南部と北東部が増加―西部と中西部は減少
●住宅価格(中央値)は前月比4.6%低下―高額物件比率低下が影響
米商務省が24日発表した8月新築住宅販売件数(季節調整済み)は前月比4.8%増の年率換算101万1000戸と、7月の同14.7%増(改定前は13.9%増)に続いて4カ月連続の大幅増となった。100万戸超は06年11月(100万3000戸)以来、13年9カ月ぶり。また、市場予想の87万5000-90万戸を大幅に上回った。
市場では、8月の販売件数が7月に続いて急増したのは、住宅ローン金利が過去最低水準(フレディマックの30年固定金利の平均約定は9月24日時点で2.9%)となっていることや、中古住宅市場の住宅供給不足で新築住宅にシフトしたためとみている。
過去3カ月の販売件数は、7月が90万1000戸から96万5000戸に、6月が79万1000戸から84万1000戸に、5月も68万7000戸から69万8000戸と、いずれも上方改定。3カ月間で計12万5000戸の上方改定となった。
季節要因を無視できる前年比も43.2%増と、7月の46.0%増(改定前は36.3%増)に続いて4カ月連続で増加。19年全体の販売件数(前年比10.7%増の68万3000戸)と比べても、8月は19年水準を48%も上回り、7月時点の41%増を上回る高い伸びとなった。
8月の販売件数の内訳を見ると、着工前時点での販売件数は前月比27.6%増の34万2000戸と、前月の同11.7%増(改定前は37.8%増)に続いて4カ月連続で増加し、06年9月(35万3000戸)以来13年11カ月ぶりの高水準となった。また、建築中の新築住宅の販売件数も同10%増の37万5000戸と、前月の同23.6%増(同9.1%増)に続いて4カ月連続で増加した。
一方、8月の住宅価格は中央値(季節調整前)が前月比4.6%低下の31万2800ドルと、7月の同2.9%低下に続いて2カ月連続で低下。前年比も4.3%低下となり、2月の直近ピークの33万1800ドルを大きく下回った。
販売価格帯をみると、30万ドル以上の高額物件の販売比率が53%と、7月の57%を下回った一方で、15万-30万ドル未満の手ごろ物件の比率は7月の40%から47%(1年前は42%)に上昇し、低価格物件へのシフトが顕著となった。
地域別の販売件数は、全体の約6割を占め、販売件数が最も多い南部が前月比13.4%増の63万6000戸と急増し、4カ月連続で増加した。北東部も同5.0%増の4万2000戸となったが、全体の約2割を占め南部に続いて販売件数が多い西部は同1.7%減の23万4000戸、中西部は同21.4%減の9万9000戸と急減した。
住宅供給面をみると、8月の新築住宅在庫(着工前や建築中の住宅も含む、季節調整値)は前月比3.1%減の28万2000戸となり、17年8月(28万1000戸)以来3年ぶりの低水準となった。販売ペースで計算した新築住宅の在庫水準は3.3カ月相当と、7月の3.6カ月相当を下回り、1963年の統計開始以来、過去最低水準となった。
市場では、足元で住宅ローンの申請件数が急増し、11年ぶりの高水準となっていることから、今後も販売件数の増加を予想している。MBA(米抵当銀行協会)が16日発表した11日終了週の週間住宅ローン申請件数は、購入向け住宅ローン申請件数(1990年=100)が前週比1%減となったものの、前年比6%増と、17週連続で前年水準を上回った。MBAでは「申請件数は前月比で減少したが、基調は依然強い。申請件数のペースは鈍化したが、これは住宅ローン金利がもっと低下するのを待っているからだ」と楽観的な見方を示している。
<関連銘柄>
NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、
SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、
NYダウベア<2041.T>
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