米9月小売売上高、前月比1.9%増―5カ月連続増加で市場予想大幅に上回る

経済

2020/10/19 9:26

<チェックポイント>

●アパレルや自動車などが急増

●予想外の高い伸びとなったことを受け、米10年国債利回り急伸

●コア小売売上高、前月比1.4%増―四半期GDP押し上げへ

 米商務省が16日発表した9月小売売上高(季節・営業日調整後)は速報値ベースで前月比1.9%増の5493億ドルと、5カ月連続の増加となり、8月の0.6%増や市場予想の0.7%増を大きく上回った。また、前年比は5.4%増となり、8月の同2.8%増(改定前は2.6%増)を大幅に上回った。

 予想以上の高い伸びとなったことを受け、政府の追加景気刺激策が21年初めまで遅れ、個人消費が当面低迷するとの懸念が後退し、債券市場では米10年国債利回りが急伸した。

 前月比の内訳は、全13業種のうち、12業種で増加し、減少は電子機器・家電(前月比1.6%減)の1業種のみ。増加幅が最も大きかったのは、月ごとに変動が激しいガソリンスタンドを除くとアパレルの前月比11.0%増(8月は1.4%増)となった。学校の新学期シーズンに入ったことが主な要因。次いでスポーツ用品・趣味・楽曲・書籍の同5.7%増(同7.4%減)、自動車・同部品の同3.6%増(同0.7%増)、レストラン・バーの同2.1%増(同4.3%増)など。

 このほか、百貨店やスーパーなどの量販店を含む一般小売販売は同1.8%増(同0.4%減)、このうち、百貨店は同9.7%増(同2.2%減)、ヘルス(薬局・美容)は同1.7%増(同0.5%減)、どのカテゴリーにも入らない「その他小売」は同1.1%増(同1.3%増)となった。

 ホームセンターなどの建築資材・園芸は同0.6%増(同2.4%増)、家具は同0.5%増(同2.1%増)と、オンラインで日常業務のコミュニケーションを行うテレワークの高まりを受け、5カ月連続の増加となった。

 また、これまで外出制限下でも販売が好調だった、米オンライン小売大手アマゾン・ドットコム<AMZN>や米小売最大手ウォルマート・ストアーズ<WMT>などのオンライン小売は前月比0.5%増(同0.2%増)となり、堅調を維持している。

 ガソリンスタンドは前月比1.5%増と、前月の同0.9%増から伸びが加速し、この結果、全体の小売売上高から月ごとに変動が激しいガソリンスタンドと自動車・同部品を除いた実質の小売売上高は同1.5%増と、8月の同0.5%増に続いて5カ月連続の増加となった。ガソリンスタンドを除いた小売売上高は同1.9%増(同0.5%増)、自動車・同部品を除いた小売売上高は同1.5%増(同0.5%増)となり、市場予想の同0.3%増を上回った。全体の約20%を占める自動車・同部品の高い伸びが押し上げた格好だ。

 一方、ガソリンスタンドと自動車・同部品、建築資材や飲食レストランを除いた、いわゆる“コア小売売上高”(コントロール・グループ)は前月比1.4%増となった。これは7-9月期GDP(国内総生産)の約7割を占める個人消費を押し上げることを意味する。コア小売売上高はGDPを構成する個人消費支出の財支出に組み込まれる重要な指標となっている。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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