<新興国eye>ロシア中銀、政策金利据え置きを決定―12月以降の利下げ再開を示唆

新興国

2020/10/26 10:27

 ロシア中央銀行は23日の理事会で、主要政策金利である資金供給のための1週間物入札レポ金利と資金吸収のための1週間物入札預金金利をいずれも過去最低水準の4.25%に据え置くことを決めた。市場の大方の予想通りだったが、一部では0.25ポイントの利下げを予想していた。

 新型コロナウイルスのパンデミック(感染症の世界的流行)による悪影響を抑制し、景気を支援するため、中銀は4月会合で、2カ月ぶりに利下げを再開。6月会合でも4-6月期のロシア経済が大幅なマイナス成長となる見通しから、2会合連続で利下げを決めた。金利水準も14年後半に物価目標を導入して以降で最低水準となった。その後も7月会合で3会合連続の利下げを決め、利下げ幅は計2.00ポイントに達した。前回9月会合では過去3回の利下げ効果を見るため、現状維持を決めており、これで2会合連続の据え置きとなる。

 中銀は前回会合時と同様、「インフレ率が今後、標準予測通りに(物価目標を下回る水準で)推移すれば、今後の金融政策決定会合で追加利下げの必要性について検討する」とし、再利下げの可能性を示唆した。これは、中期的にはディスインフレ(物価上昇率の鈍化)リスクの方がインフレ上ブレリスクよりも優勢と判断しているからだ。この日発表した最新の中期経済予測でも21年のインフレ見通しは3.5-4.0%上昇と変わらなかったが、今年に比べディスインフレになるとの見方を変えていない。また、中銀は今回の会合でも標準予測でのディスインフレスクの見通しについて、「国内外のパンデミックの今後の展開と密接に繋がっている」とし、警戒を緩めていない。

 前回会合で現状維持を決めた際、市場ではルーブルが9月初め時点で、対ドルで6カ月ぶり、また、対ユーロでも4年ぶりの安値に下落し、容認できないほどルーブル安が進んだことも現状維持を決めた大きな要因だったと見ていたが、10月20日もルーブルはユーロやドルに対し、0.3-0.6%下落した。過去3カ月間でルーブルは主要通貨に対し、6.5%超も下落している。ルーブル安は8月20日に起きた、ロシアの野党指導者アレクセイ・ナヴァルヌイ氏の毒殺未遂事件が対ロ制裁懸念を強めことが引き金となっている。

 今回発表された最新の中期経済予測(標準シナリオ)では、今年のインフレ率見通しを3.9-4.2%上昇と予想し、前回7月予想(3.7-4.2%上昇)のレンジの下限を引き上げた。21年は3.5-4.0%上昇(前回予想と変わらず)と、20年から低下すると予想している。その後、22年と23年はいずれも物価目標(4.0%上昇)で安定するとの見通しを据え置いた。

 景気見通しについては、20年の成長率見通しをマイナス4.0-5.0%と、前回予想のマイナス4.5-5.5%から改善方向に上方修正。しかし、21年は3.0-4.0%増と、前回予想(3.5-4.5%増)から下方修正した。22年は2.5-3.5%増(前回予想と変わらず)、23年は2.0-3.0%増を予想している。

 市場では21年の経済成長率見通しが下方修正されたことや、21年はインフレ率が低下する見通しであることから、中銀は次回12月会合で利下げを再開する可能性があると見ている。

 次回の金融政策決定会合は12月18日に開かれる予定。

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