米9月新築住宅販売件数、前月比3.5%減の95.9万戸―市場予想下回る

経済

2020/10/27 9:44

<チェックポイント>

●5カ月ぶり減少も依然高水準―供給不足で価格高騰が販売件数の重しに

●住宅価格(中央値)は前月比1.4%上昇―高額物件比率が上昇

●北東部と南部、中西部が減少―西部は増加

 米商務省が26日発表した9月新築住宅販売件数(季節調整済み)は前月比3.5%減の年率換算95万9000戸と、8月の同3.0%増(改定前は4.8%増)から5カ月ぶりに減少に転じ、市場予想の102万2000-103万3000戸に対しても下回ったが、3カ月連続で90万戸を上回る高水準となった。季節要因を無視できる前年比も32.1%増と、8月の40.8%増(改定前は43.2%増)を下回ったが、5カ月連続で前年水準を上回っている。

 過去3カ月(7-9月)の月平均販売件数は97万3000戸と、前3カ月(6-8月)の月平均93万3000戸を約4.3%上回り、堅調を維持している。

 市場では、9月の販売件数が減少に転じたのは、住宅ローン金利が過去最低水準(フレディマックの30年固定金利の平均約定は10月22日時点で2.8%)となって需要を支えているものの、住宅供給が依然タイトなため、住宅価格が上昇し、購入にブレーキがかかったとみている。

 販売件数の内訳を見ると、着工前時点での販売件数、つまり、バックログ(建築許可が下りたあと、未着工となっている件数)は前月比5.3%増の31万9000戸と、8月の同11.8%増(改定前は27.6%増)に続いて5カ月連続で増加し、14年ぶりの高水準となった。これは今後数カ月、住宅建築が活発化することを意味する。

 一方、住宅価格は中央値(季節調整前)が前月比1.4%上昇の32万6800ドルと、8月の同2.3%低下から3カ月ぶりに上昇した。

 販売価格帯をみると、30万ドル以上の高額物件の販売比率が59%と、8月の55%を上回った一方で、15万-30万ドル未満の手ごろ物件の比率は8月の42%から40%(1年前は42%)に低下し、高額物件にシフトした。

 地域別の販売件数は、全体の約6割を占め、販売件数が最も多い南部が前月比4.7%減(前年比27.4%増)の56万3000戸と、5カ月ぶりに減少した。北東部は同28.9%減(同5.9%減)の3万2000戸と、最も大きく落ち込んだ。中西部も同4.1%減(同34.8%増)の9万3000戸と、2カ月連続で減少。一方、全体の約2割を占め南部に続いて販売件数が多い西部は同3.8%増(同49.7%増)の27万1000戸と、2カ月連続の増加となった。

 住宅供給面をみると、9月の新築住宅在庫(着工前や建築中の住宅も含む、季節調整値)は前月比0.7%増の28万4000戸と、やや増加したが、依然、17年8月(28万1000戸)以来の低水準で、住宅バブル期の在庫水準(45万戸)の63%の水準にとどまっている。ただ、これを9月の販売ペースで計算した新築住宅の在庫水準は3.6カ月相当と、1963年の統計開始以来、過去最低水準となった8月の3.4カ月相当からやや持ち直した。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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