日経平均は268円高と6連騰、2万5000円回復、新型コロナワクチン実用化期待で買い先行=10日前場

 10日前場の日経平均株価は前日比268円37銭高の2万5108円21銭と大幅に6営業日続伸。取引時間中での2万5000円回復は1991年11月5日以来29年ぶり。

 朝方は、買い優勢で始まった。米ファイザーと独ビオンテックが現地9日、開発中の新型コロナウイルスのワクチンが最終段階の治験参加者の9割以上に効果があったと発表。近く米国で緊急使用の承認手続きを申請するとされ、ワクチンの実用化期待から9日のNYダウや欧州株式が急騰した流れを受け、前場早々に2万5279円94銭(前日比440円10銭高)まで上伸した。ただ、急ピッチな上昇に対する警戒感もあって、その後は利益確定売りに抑えられ、伸び悩み商状となった。

 東証1部の出来高は10億8725万株、売買代金は2兆991億円。騰落銘柄数は値上がり1388銘柄、値下がり727銘柄、変わらず62銘柄。

 市場からは「上昇ピッチが速く、行き過ぎの感がある。米国市場は、ワクチン期待に過剰反応している。日米株は今週に高値を付け、以降は高値波乱になる可能性がある」(銀行系証券)との声が聞かれた。

 業種別では、JAL<9201.T>、ANA<9202.T>などの空運株が上昇。国際帝石<1605.T>、石油資源<1662.T>などの鉱業株も高い。第一生命HD<8750.T>、東京海上<8766.T>などの保険株や、JR東日本<9020.T>、JR西日本<9021.T>、JR東海<9022.T>、東急<9005.T>などの陸運株も買われた。日本製鉄<5401.T>、JFE<5411.T>、神戸鋼<5406.T>などの鉄鋼株や、三井不<8801.T>、三菱地所<8802.T>、住友不<8830.T>などの不動産株も値を上げた。

 半面、任天堂<7974.T>、バンナムHD<7832.T>などのその他製品株が下落。ソフバンG<9984.T>、ZHD<4689.T>、スクエニHD<9684.T>などの情報通信株も売られた。

 個別では、関西みらいF<7321.T>がストップ高カイ気配となり、オープンドア<3926.T>、寿スピリッツ<2222.T>、T&Gニーズ<4331.T>、ラウンドワン<4680.T>などがストップ高。半面、ケネディクス<4321.T>がストップ安となり、EduLab<4427.T>、ITM<2148.T>が一時ストップ安。オイラ大地<3182.T>、MDV<3902.T>などの下げも目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、31業種が上昇した。

提供:モーニングスター社

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