Ubicom、21年3月期の第2四半期累計決算を発表、コロナ下でも過去最高益を更新

株式

2020/11/13 8:33

 Ubicomホールディングス<3937.T>は12日大引け後、2021年3月期の第2四半期累計(4-9月)決算を発表した。

 連結業績は売上高が20億9300万円(前年同期比8.8%増)、営業利益は3億9300万円(同22.0%増)、経常利益は3億7700万円(同12.0%増)、純利益は2億5400万円(同7.7%増)となった。新型コロナウイルスの感染拡大の中でも20年3月期に前倒しで確立した高収益モデルを背景に増収増益を達成し、第2四半期累計としては過去最高益を更新した。

 フィリピン子会社を活用したソリューション開発を手掛けるグローバル事業はピラー(主要)顧客からの売上とソリューションの受注が拡大し、売上高は前年同期比9%前後の増加となった。また、フィリピンにおける従業員向け送迎車費用やリモート体制に移行するなどコロナ対応支出があったにもかかわらず、売上高営業利益率は18.8%と底堅く推移した。

 エンタープライズ事業部においては積極的な人材投資が効果を上げ、金融・公共を中心とした新規および既存プロジェクトがさらに拡大した。また、コロナ禍におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)化をチャンスととらえ、さらなる事業拡大に向け第3四半期(10-12月)から利益バランスを見た上で先端IT人材投資を中心に戦略的投資を実行する予定。

 一方、レセプト(診療報酬明細)点検ソフトウエア開発などのメディカル事業は新商品のレセプトチェックシステム「Mighty Checker EX」が寄与し、ストック売上高が順調に伸び、営業利益は前年同期比25.9%増となった。高収益サブスクリプション型ビジネスモデルを確立した上、戦略的開発案件以外の利益率の低い案件の受託中止もあり、売上高セグメント利益率が49.9%と利益率が大幅に改善した。

 今後は大手医療グループ内の横展開に加えて、新型コロナ対策としてWebを活用した営業、サポートを強化し、直接販売に注力する方針だ。

 さらに、子会社が4月1日から、全国医療機関に向け医療クラウドの新サービス「SonaM(そなえむ)」の提供を開始している。また、保険会社向け新ソリューション、その他データ分析(健保組合、学会)など、医療のデジタル化に関する新事業を積極的に立ち上げ、「Mighty」シリーズに次ぐ将来の「新たなサブスク型の収益源」の確立も目指す。

 加えて、保険業界向け支払審査検索エンジン「保険ナレッジプラットフォーム」の採用がSBI生命保険で内定し、今後、保険業界向けに本格展開を図る構えだ。当社が掲げる3つ目の事業「ニッチNo.1プラットフォーム戦略」に資する新規事業として、今後の業績への寄与に大いに期待したい。

 21年3月期業績予想は、売上高44億3700万円(前期比9.9%増)、営業利益8億700万円(同14.0%増)、経常利益8億4000万円(同17.4%増)、純利益6億500万円(同13.4%増)。新型コロナウイルス感染症の影響を織り込んだ上で、連続最高益更新を見込んでいる。なお、同社予想はこれまで保守的な傾向があり、20年3月期業績が計画を上回って着地した経緯もあるため、21年3月期も計画の上ブレが期待される。

提供:モーニングスター社

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