11月FOMC議事録、多くの委員がフォワードガイダンス強化の必要性を指摘
2020/11/26 10:11
<チェックポイント>
●多くの委員は、早期に資産買い入れ指針を強化することを望んでいる
●大半の委員は、長期・超長期資産買い入れへの質的な金融指針転換を支持
●複数の委員は買い入れ規模拡大に限界あると指摘―市場では追加財政期待
FRB(米連邦準備制度理事会)は25日、11月4-5日開催分のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録を公表した。多くのFOMC委員はフォワードガイダンス(金融政策の指針)を強化する必要性があると指摘しているものの、変更は慎重に行われるべきとの姿勢を示しており、資産買い入れ規模の量的拡大よりも、質的変更(長期・超長期)による国債買い入れにシフトすべきとの考えを強調している。
議事録では、QE(資産買い入れによる量的金融緩和)政策に関するフォワードガイダンス(金融政策の指針)について、「多くの委員は、早い段階で資産買い入れに関するフォワードガイダンスを強めることを望んでいると判断した」としたものの、「大半の委員は資産買い入れが結果を伴う質的なフォワードガイダンスに転換することを支持した」としている。
また、「われわれは必要に応じ、金融緩和を一段と強める可能性がある。その場合、買い入れペース(規模)を高めるか、または、買い入れ規模を変えずに、買い入れ対象をより長めの国債にシフトするかだ」としている。
一方、一部委員がQE強化に消極的であることも分かった。「少数の委員は、経済の見通しやQEの適切な運用が不透明な段階で資産買い入れに関するフォワードガイダンスを変更することに躊躇(ちゅうちょ)した」としている。また、「委員は資産買い入れのペース(規模)や買い入れ対象をいますぐに変更する必要はないと判断した」としている。
市場では、新型コロナのパンデミック(感染症の世界的流行)によって疲弊した米経済や雇用の回復にはFRBの金融政策だけでは困難との見方が少なくない。この点、議事録で、「複数の委員は長期金利が低いことに鑑み、買い入れ規模の拡大による追加金融緩和が考えられるが、買い入れ規模に限界が生じる可能性がある」としている。
また、市場では、FRBには新たな金融政策の余地が多く残されていないとして、政府の追加財政刺激策の早期実施に期待を寄せている。明るい材料は、イエレン前FRB議長がバイデン次期大統領の政権下で財務長官に指名されると伝わったことだ。イエレン氏は雇用市場に重点を置いたエコノミストと知られていることから、追加財政刺激策をめぐる議会での党利党略に左右されず、景気回復により集中し、財政支援を強く主張する可能性が高いとみられている。
<関連銘柄>
NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、
SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、
NYダウベア<2041.T>
提供:モーニングスター社
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