国内外株式から大規模な資金流出も、成績好調なアクティブファンドには資金流入継続

投信

2020/12/8 7:54

 DC専用ファンドの2020年11月の純資金流出入額は約209億円の流出超過になった。2019年4月以来19カ月ぶりの資金流出となった。前月まで2カ月連続で全資産分類が資金流入超だったが、11月は国内株式から約179億円の資金流出となった他、先進国株式からも約56億円の資金流出と株式ファンドからの資金流出が目立った。国内株式から流出した資金規模は、2016年12月の172億円を超え、2015年1月以来最大規模になった。また、バランスからも約22億円の資金流出となった。

 DC専用ファンド全体の純資産総額は約6兆2166億円と前月から約3078億円減少した。3000億円を超える大幅な資産額減少は、今年3月に4125億円減少して以来のこと。資産配分状況は、株式ファンド41%、債券ファンド20%、バランスファンドに36%という割合で、前月と同じだった。(*個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない)

■資金流入額トップは、「野村 外国株式インデックスF(確定拠出年金)」

 DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングは、第1位が野村アセットマネジメントの「野村 外国株式インデックスF(確定拠出年金)」だった。資金流入上位10ファンドのうち、8ファンドが先進国株式インデックスファンドになった。前月トップだった「分散投資コア戦略ファンドS」(三井住友トラスト・アセットマネジメント)などバランスファンドがトップ10に1本もランクインしなかった。

 また、前月第2位に躍進した「ひふみ年金」(レオス・キャピタルワークス)は第7位になった。そして、第8位にランクインした「DC世界経済インデックスファンド」(三井住友TAM)は、新興国も含めた世界の株式に広く分散投資するファンドだ。この2銘柄のみが、トップ10の中で、先進国株式インデックス以外のファンドになった。

■リターンは8カ月連続で「<DC>ベイリー・ギフォード世界長期成長株F」が1位

 個別ファンドの過去1年間のトータルリターンのトップは、8カ月連続で「<DC>ベイリー・ギフォード世界長期成長株F」(三菱UFJ国際)になった。第2位も3カ月連続で「DCダイワ 中小型株ファンド」(大和アセットマネジメント)になった。

 トータルリターンランキングは、引き続き国内外の株式を投資対象とするアクティブファンドが好成績を持続している。グローバル株式では第1位の「<DC>ベイリー・ギフォード世界長期成長株F」の他、第3位の「大和住銀DC外国株式ファンド」(三井住友DSアセットマネジメント)、第6位の「AB・G・オポチュニティーズDC」(アライアンス・バーンスタイン)、第8位に「Oneグローバル中小型長期成長株<DC年金>」(アセットマネジメントOne)など。そして、中国株式に投資する第4位の「DCニュー・チャイナ・ファンド」(三井住友DS)がある。

 一方、国内株式では、第2位の「DCダイワ中小型株ファンド」の他に、第5位に「野村 リアルグロース・オープン(確定拠出年金向け)」(野村アセット)、第7位に「明治安田DC中小型株式オープン」(明治安田アセットマネジメント)、第9位に「ひふみ年金」(レオス)、第10位に「インベスコ 日本株式グロース・ファンド」(インベスコ・アセット・マネジメント)がランクインした。11月は、国内株式からは約179億円の大幅な資金流出となったが、これらアクティブファンドで運用成績が良い銘柄群は資金流入となっている。

提供:モーニングスター社

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