テンポイノベが第3四半期累計決算を発表、利益面は通期予想を超過し上ブレの可能性も

株式

2021/2/3 16:32

 テンポイノベーション<3484.T>が3日、2021年3月期の第3四半期累計(20年4月-12月)決算を発表した。

 売上高は79億3600万円(前年同期比6.8%増)、営業利益は6億400万円(同9.1%減)、経常利益は6億9300万円(同0.6%増)、純利益は4億7300万円(同1.6%減)だった。

 新型コロナの影響による成約数の減少などがあったものの、転貸借物件数の増加と不動産売買事業における物件売却による収益積み上げにより、増収が継続した。利益面も前年同期とあまり変わらない水準まで回復した。

 事業面の指標を見ても回復の動きは明らかである。コロナ前の同社の四半期ごとの成約数(転貸借契約を締結した数)は100件前後で、緊急事態宣言があった第1四半期(20年4-6月)は43件にまで落ち込んだものの、第2四半期(20年7-9月)には81件、第3四半期(20年10-12月)には92件となった。飲食テナントの出店ニーズが、急回復していることが確認できる。

 また、転貸借物件の解約数についても、第2四半期は緊急事態宣言時に申入れのあった解約の一部が解約に至ったため56件へ急増したが、第3四半期には23件に減少した。12月単月では3件にまで減少しており、物件解約の状況を見ても直近では落ち着きを取り戻している。

 21年3月期の通期業績予想は売上高100億8400万円(前期比1.0%増)、営業利益6億円(同23.5%減)、経常利益6億7100万円(同17.3%減)、純利益4億5100万円(同19.9%減)を見込んでいる。第3四半期累計の時点で通期予想の各段階利益を超過しているものの、1月からの緊急事態宣言の影響などで正確な予想修正が困難であるため、昨年11月発表の予想を据え置いた。

 新型コロナ「第3波」の最中で事業環境には不透明感が強いが、同社の主要事業がストックビジネスであることを考慮すると、今後、上ブレする可能性は十分にあろう。

提供:モーニングスター社

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