来週の東京外国為替市場見通し=米経済指標受けた米長期金利の動向や全人代に注目

国内市況

為替

2021/2/26 17:02

予想レンジ:1ドル=105円00銭-109円85銭

 2月22-26日のドル・円は堅調に推移した。週初22日は、米長期金利が低下する中、ドル売り・円買いが優勢。23日は、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が議会証言で、金融緩和策を当面継続する考えを改めて示すと、投資家のリスク許容度が拡大し、ドル・円は上昇した。24日、新型コロナウイルスのワクチンへの期待から、ドル・円は上昇した。25日は、米長期金利が上昇する中、ドル・円は一段高。週末26日は、日米の株価が急落、リスクオフからドル・円は上値の重い展開となった。

 週明けは、米2月ISM(供給管理協会)製造業景況指数、米2月ISM非製造業景況指数、米2月ADP(オートマティック・データ・プロセッシング)雇用統計、米2月雇用統計、米1月貿易収支など主要経済指標が発表される。市場では米景気の底堅さを示す結果の発表が予想されているが、新型コロナウイルス感染症拡大の収束がいまだ見えない中、FRBの長期緩和スタンスに変化を及ぼすか注目したい。また、3月16-17日開催FOMC(米連邦公開市場委員会)の討議資料となるベージュブック(地区連銀経済報告)が3月4日に公表される。こちらも、FRBのスタンスに影響を与える内容か確認したい。

 5日には、中国で全人代(全国人民代表大会)が開幕する。急回復を見せる中国経済の政府成長率目標について、20年と同様に具体的な目標が発表されないとの見方もある中、どのような形となるか注目したい。また、一部では香港の選挙制度について審議される見通しと伝わっており、香港の自治が一段と損なわれるようだと、米中の対立が激化するリスクもある。

 ドル・円は、200日移動平均線(105円40銭近辺)や52週線(105円90銭近辺)などの抵抗線を上回り、上昇基調を強めている。次の上値メドは、20年6月の高値109円85銭近辺。下値メドは、心理的フシとなる105円ちょうど。

提供:モーニングスター社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ