米1月S&PコアロジックCS住宅価格指数、前年比11.2%上昇

経済

2021/3/31 11:39

<チェックポイント>

●20都市圏、前年比11.1%上昇に加速―市場予想上回る

●フェニックスとシアトル、サンディエゴが大幅上昇―デトロイトが統計に復活

●10都市圏、前年比10.9%上昇に加速

 米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が23日発表した1月の米S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数(季節調整前)は、一戸建て中古住宅の価格動向を示す総合指数である全米住宅価格指数が前月比0.8%上昇の236.31と、20年12月の同0.9%上昇をやや下回ったが、季節要因を無視できる前年比は11.2%上昇と、12月の同10.4%上昇を上回り、06年2月以来14年11カ月ぶりの高い伸びとなった。

 S&P500指数を運営している米S&Pダウジョーンズ・インデックスのマネージング・ディレクター兼指数管理担当責任者であるクレイグ・ラザラ氏は、「1月の住宅価格の上昇は、依然、新型コロナのパンデミック(感染症の世界的大流行)を受け、住宅取得者が都心のアパートから郊外の一戸建てに住宅購入をシフトさせているという見方と一致する。住宅購入需要は数年先取りする形で急ピッチで加速している」と指摘している。

 市場の関心が高い主要20都市圏の価格指数(季節調整前)は前月比0.9%上昇の242.98と、12月の0.9%上昇に続いて2カ月連続で高い伸びとなった。前年比は11.1%上昇と、12月の10.2%上昇を上回る高い伸びとなった。また、7カ月連続で伸びが加速し、市場予想の11.0%上昇を上回った。

 都市別では、12月と同様、西部と南東部が顕著な伸びとなっている。フェニックスは前年比15.8%上昇と、最も高い伸びを示し、20カ月連続でトップとなった。次いで、シアトルが同14.3%上昇、サンディエゴも同14.2%上昇、ボストンは同12.7%上昇、タンパは同11.9%上昇、クリーブランドは同11.7%上昇となった。

 北東部の大都市圏ではニューヨークが同11.3%上昇と、前月から伸びが加速した。このほか、シャーロットとミネアポリスはそれぞれ同11%上昇と10.7%上昇、ポートランドは同10.6%上昇、ダラスは同9.2%上昇、シカゴは同8.9%上昇と、全国平均(11.2%上昇)を下回った。20都市中、前月の統計まで新型コロナのパンデミックの影響で調査できなかったデトロイトは今回の統計から復活し、同11%上昇となった。

 主要10都市圏の価格指数(季節調整前)は前月比0.8%上昇の256.5と、12月の同0.9%上昇を下回り、3カ月連続で伸びが減速した。前年比は10.9%上昇と、12月の9.9%上昇を上回った。価格指数は金融危機前の06年6月のピーク(226.29)を23カ月連続で上回っている。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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