来週の日本株の読み筋=相場に安定感増す可能性、新規資金の流入期待も
来週(5-9日)の東京株式市場は、相場に安定感が増す可能性がある。半導体関連株をはじめとするグロース(成長)株の復調により、日経平均株価は上昇の勢いを取り戻しつつある。需給的にも4月に入って年度末のポジション調整が一巡するとともに、新規資金の流入が期待される。今月は海外投資家の買いが入りやすいアノマリー(説明のつかない法則)があるほか、個人投資家も投資余力を残しており、買い意欲は依然として根強いとみられる。3万円前後では戻り売りの圧力が強まりそうだが、ここを乗り越えればスケールアップが視野に入る。
むろん、新型コロナウイルスの影響は予断を許さないが、投資家は冷静に対応しつつある。感染拡大が深刻な欧州のドイツDAX30や仏CAC40の上昇を踏まえると、マーケットは引き続きコロナ後の世界経済の正常化を意識している。国内では1日に「まん延防止等重点措置」を来週5日から来月5日までの1カ月間、大阪府、兵庫県、宮城県に適用することを決定したが、市場への影響がごく限定的だったように、先行きの景気・企業業績の回復を見据えた動きが続くとみられる。
スケジュール面では、国内で8日に3月景気ウオッチャー調査が発表される。海外では5日に米3月ISM非製造業景況指数、6日にIMF(国際通貨基金)が世界経済見通しを公表する。7日にG20(20カ国・地域)財務相・中央銀行総裁会合、9日には中国3月消費者・生産者物価などが予定されている。
2日の日経平均株価は大幅続伸し、2万9854円(前日比465円高)引け。1日の米国株式市場で主要3指数がそろって上昇した流れを受け、買い優勢で始まった。半導体関連など値がさハイテク株中心に高く、指数を押し上げた。その後、利益確定売りに伸び悩む場面もあったが、値がさハイテク株物色は根強く、大引け近くには上げ幅が480円に達した。市場では、「この先3万円絡みでは利益確定売りが出てきそうだが、それをこなしつつ再度3万円にチャレンジすることになろう」(中堅証券)との声が聞かれた。
提供:モーニングスター社
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