日経平均は64円高と3日続伸、対中関係悪化警戒で一時下げ転換も盛り返す=19日前場
19日前場の日経平均株価は前週末比64円73銭高の2万9748円10銭と3営業日続伸。朝方は、前週末の米国株高を支えに強含んで始まったが、直後に株価指数先物にまとまった売り物が出て下げに転じた。日米首脳共同声明で「台湾海峡の安定」などを明記、対中関係悪化への警戒感が指摘されたほか、時間外取引での米株価指数先物安も重しとなり、一時は2万9530円84銭(前週末比152円53銭安)まで下落した。ただ、一巡後は根強い買いに再度プラス圏に盛り返し、前引け近くに2万9753円04銭(同69円67銭高)まで値を上げた。中国・上海総合指数や香港ハンセン指数が高くなり、支えとして意識された面もある。
東証1部の出来高は4億3029万株、売買代金は9435億円。騰落銘柄数は値上がり1207銘柄、値下がり853銘柄、変わらず127銘柄。
市場からは「朝方は小高かったが、一転して売られてダメかと思えば、戻るという不思議な動きだ。対中関係の悪化が懸念されたが、中国が具体的な対抗策を示さなかったことで、とりあえず一安心といったところか。もっとも、この問題は警戒要因としてくすぶり続けることになろう」(中堅証券)との声が聞かれた。
業種別では、商船三井<9104.T>、川崎汽<9107.T>、郵船<9101.T>などの海運株が堅調。SUMCO<3436.T>、LIXIL<5938.T>などの金属製品株も高い。大王紙<3880.T>、レンゴー<3941.T>などのパルプ紙株や、AGC<5201.T>、東海カーボン<5301.T>などのガラス土石株も値を上げた。信越化<4063.T>、富士フイルム<4901.T>などの化学株や、小野薬<4528.T>、エーザイ<4523.T>などの医薬品株も買われた。東エレク<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>などの電機株も引き締まった。
半面、JAL<9201.T>、ANA<9202.T>などの空運株が軟調。任天堂<7974.T>、アシックス<7936.T>などのその他製品株も安い。野村<8604.T>、マネックスG<8698.T>などの証券商品先物株や、JPX<8697.T>、イオンFS<8570.T>などのその他金融株も売られた。INPEX<1605.T>、石油資源<1662.T>などの鉱業株も値を下げた。
個別では、イワキポンプ<6237.T>がストップ高カイ気配となり、紀文食品<2933.T>、クリナップ<7955.T>、マルマエ<6264.T>、テモナ<3985.T>などの上げが目立った。半面、IRJHD<6035.T>、レノバ<9519.T>、ボルテージ<3639.T>、オリバー<7959.T>、青山商<8219.T>などの下げが目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、15業種が上昇した。
提供:モーニングスター社
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