<新興国eye>トルコ財務相、4-6月期GDPを前年比2ケタ増と予想

新興国

2021/4/22 10:47

 トルコのリュトフィ・エルバン財務相は19日、地元テレビ局NTVの番組で、「1-3月期GDP(国内総生産)が前年比約5%増になった」との見方を示した上で、「4-6月期GDPは前年同期が低かったため高めの数値が出る、いわゆるベース効果により、2ケタの大幅増になる」との見通しを示した。地元紙デイリー・サバ(電子版)が伝えた。

 同相は、20年4-6月期GDPが前年比9.9%減と大幅な落ち込みとなったため、その反動で21年4-6月期の伸びが高めに出るとしている。また、同相はトルコの21年全体の成長率の見通しについて、20年下期の国営銀行による融資拡大で内需の回復が強まっていることから、「(想定よりも)高めになる」と楽観的な見方を示した。

 ロイター通信による最新のエコノミスト調査によると、トルコの4-6月期成長率見通しのコンセンサスは前年比14.9%増、21年全体では4.8%増、22年は3.7%増を予想している。

 トルコの20年10-12月期GDPは前年比5.9%増と急回復し、その結果、20年全体の伸び率は同1.8%増となり、政府が20年9月に発表した21-23年の新中期3カ年経済計画で予想した20年の成長率見通し(標準シナリオで0.3%増)を大幅に上回った。ちなみに、新中期3カ年経済計画では21年の成長率見通しを5.8%増(最悪シナリオで3.7%増)と、V字回復し、22年と23年はいずれも5%増の安定成長に戻ると予想している。

 また、米金融大手ジェーピー・モルガン・チェース(JPモルガン)は21年2月、顧客向けリポートで、トルコの21年の成長率見通しを従来予想の3.3%増から4.6%増に上方修正した。上方修正の理由について、JPモルガンは20年10-12月期のトルコ経済はロックダウン(都市封鎖)にもかかわらず、20年上期(1-6月)の政府の大規模な景気支援策が効果を発揮し、民間セクターを中心に強じん性が示されたためとしている。

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 iS新興国<1362.T>、上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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