来週の日本株の読み筋=不透明感が一段落か

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2021/4/23 17:05

 来週(26-28日、30日)の東京株式市場では、先行きの不透明感が一段落か。日経平均株価は21日に大幅続落し、一時2万8419円まで下落し、およそ1カ月ぶりの安値水準に沈んだ。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京都や大阪府で緊急事態宣言が発令される方向となり、いっそうの景気悪化への不安が買い意欲を減退させた。ただ、その後は3月以降に形成したサポートゾーンで切り返すなど、大きな値崩れを回避する底堅さも示した。過去2回の緊急事態宣言の入り口では、先行して下げた日経平均が上昇に転じた経緯がある。23日は休業要請が直撃する外食株の一角が強含み、旅行関連株にも高いものが目立つなど、不安材料の織り込みが進んだとも受け止められる。

 一方、企業の1-3月決算が本格化する。大型連休を前に手控えムードが強まる可能性はあるが、各社の新年度見通しが明らかになり、個別株物色が強まることになる。安川電機<6506.T>に続き、日電産<6594.T>の今期業績予想が市場コンセンサスに届かず、株価急落につながったが、それだけに期待値は下がり、「ガイダンスリスク」に臨む準備は整ったと考えられる。

 スケジュール面では、国内で26-27日に日銀金融政策決定会合が開催され、27日に黒田日銀総裁会見、日銀「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)、30日に3月失業率・有効求人倍率、3月鉱工業生産などが予定されている。海外では26日に独4月Ifo景況感指数、27-28日にFOMC(米連邦公開市場委員会)が開催され、28日にパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長会見、バイデン米大統領の就任後初の議会演説などがある。

 23日の日経平均株価は反落し、2万9020円(前日比167円安)引け。朝方は、売りが先行した。バイデン米政権が富裕層を対象にキャピタルゲイン(株式譲渡益)課税を引き上げる方針と報じられ、22日の米国株式が下落した流れを受け、下げ幅は一時410円を超えた。一巡後は、押し目買いにいったん下げ幅を縮小した。その後、上値が重くなったが、大引けにかけては再び下げ渋った。市場では、「米国の増税報道をきっかけに売りが出たが、まだトレンドを変えるまでには至っていない」(準大手証券)との声が聞かれた。

提供:モーニングスター社

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