ベンチャー相場展望:決算警戒で軟化傾向――ラッシュ後見据えて選別を

2021/5/9 9:00

 マザーズ指数が軟化傾向にある。AI inside(=AIインサイ、4488・M)がNTT西日本との契約打ち切りを受けて大量売りを浴びており、ゴールデンウイークをまたいで3営業日連続のストップ安。決算シーズンに入り、経営基盤がぜい弱なものもある新興市場上場銘柄へのリスクが意識される展開となっているようで、主力のメルカリ(4385・M)やBASE(4477・M)も軟調な推移となっている。来週も決算発表スケジュールが詰まっており、警戒感は強い。ただ、週後半にかけてはアク抜け感も台頭していきそうだ。

主力どころが続々と登場

 来週は決算ラッシュで、新興市場でも主力どころが数多く発表を行う。10日のメイコー(6787・JQ)は需要増で業績拡大が期待される製造業株で、ワークマン(7564・JQ)も足元の月次売上高の好調から好決算発表が期待される。11日はマザーズ主力のBASEが決算を発表。12日以降は一気に決算発表銘柄が増加。指数寄与度の高いフリー(4478・M)のほか、話題のAIインサイや3月IPO(新規上場)のAppier Group(4180・M)、ドローン(小型無人飛行機)の活用拡大で期待の自律制御システム研究所(=ACSL、6232・M)あたりが注目銘柄となる。

 13日からは決算発表銘柄の多さで新興市場上場の好決算銘柄が埋もれてしまう可能性がある。新型コロナウイルス対応によるニューノーマル社会に応じたビジネスモデルの企業も多く、またアフターコロナを見据えた業績見通しへの注目度は高い。小田原エンジニアリング(6149・JQ)、ALBERT(3906・M)、ユーザベース(3966・M)、QDレーザ(6613・M)、プレイド(4165・M)、また14日の勤次郎(4013・M)、トヨクモ(4058・M)、ヤプリ(4168・M)、ライトアップ(6580・M)あたりをマークしておきたい。

毎度のウイークポイント

 新興市場、特にマザーズは決算発表シーズンが苦手で、今年も同様の傾向が出ている。決算発表後には見直し、好決算銘柄の買い直しの動きが出やすくなるだけに、ここでしっかりと銘柄選別を行っておきたい。

(小泉健太)

(写真:123RF)

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