日経平均は95円安と続落、値がさハイテク株中心に売り先行、海運株や金融株なども軟調=9日前場

 9日前場の日経平均株価は前日比95円27銭安の2万8868円29銭と続落。朝方は、売りが先行した。8日の米国株式は高安まちまちで手掛かり材料に乏しいなか、値がさハイテク株中心に軟化し、前場早々に2万8801円83銭(前日比161円73銭安)まで下落した。その後は、株価指数先物に断続的な買いが入ったこともあり、下げ渋ったが、戻りは限定された。なかで、海運株や金融株などの軟調推移も目立った。

 東証1部の出来高は4億9293万株、売買代金は1兆1703億円。騰落銘柄数は値上がり1191銘柄、値下がり877銘柄、変わらず123銘柄。

 市場からは「米5月CPI(消費者物価指数)の発表を控え、米インフレへの警戒感がある。今回のCPIは去年の反動で高い数値が予想される。ただ、ある程度は織り込みが進み、影響は限定的だろう。むしろ、アフターコロナを見据えて内需株が買われるなど地合いは悪くない」(国内投信)との声が聞かれた。

 業種別では、川崎汽<9107.T>、郵船<9101.T>、商船三井<9104.T>などの海運株が下落。マネックスG<8698.T>、SBI<8473.T>、野村<8604.T>などの証券商品先物株や、T&DHD<8795.T>、MS&AD<8725.T>、第一生命HD<8750.T>などの保険株も安い。王子HD<3861.T>、レンゴー<3941.T>などのパルプ紙株も軟調。三菱UFJ<8306.T>、三井住友<8316.T>、りそなHD<8308.T>などの銀行株や、東エレク<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>、TDK<6762.T>などの電機株も売られた。

 半面、住友不<8830.T>、菱地所<8802.T>、東建物<8804.T>などの不動産株が上昇。JAL<9201.T>、ANA<9202.T>などの空運株や、INPEX<1605.T>などの鉱業株も高い。東急<9005.T>、京急<9006.T>などの陸運株も値を上げた。エーザイ<4523.T>がストップ高カイ気配となり、ロート<4527.T>、わかもと<4512.T>などの医薬品株も買われ、住友鉱<5713.T>、三井金<5706.T>などの非鉄金属株も堅調。

 個別では、ペッパー<3053.T>、シスメックス<6869.T>、イーブック<3658.T>、イーレックス<9517.T>、レーザーテク<6920.T>などの下げが目立った。半面、ツナグGHD<6551.T>、ジャムコ<7408.T>、T&Gニーズ<4331.T>、ヨシックス<3221.T>、グリーンズ<6547.T>などの上げが目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、17業種が下落した。

提供:モーニングスター社

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