米5月中古住宅販売件数、前月比0.9%減の年率580万戸―市場予想上回るも4カ月連続減少

経済

2021/6/23 10:17

<チェックポイント>

●強い需要も深刻な供給不足と価格上昇が販売件数を抑制

●販売価格は前月比2.8%上昇の35.03万ドル―過去最高値更新

●未販売住宅(在庫)は2.5月分相当

 NAR(全米不動産業協会)が22日発表した5月中古住宅販売件数(季節調整済み)は前月比0.9%減の年率換算580万戸と、市場予想の571万―573万万戸を上回ったものの、4月の同2.7%減や3月の同3.7%減、大寒波の悪影響で同5.5%減と、急減した2月に続いて4カ月連続の減少となった。前年比は44.6%増と、11カ月連続で前年水準を上回った。

 NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ヤン氏は、「住宅在庫(供給)不足が引き続き、住宅販売件数を落ち込ませる最大の要因となっている」と指摘。今後の見通しについては、「市場の見通しは明るい。住宅在庫は改善する見通しだ。それにより住宅価格が過去最高値から低下に向かう。リモートワークの普及で休暇を過ごすホリデーホームの需要も高まっている」と販売が上向く可能性があるとみている。

 一方、住宅供給の過不足感を示す5月時点の未販売住宅(在庫)は前月比7.0%増の123万戸と、3カ月連続で増加した。これを5月の販売ペースに換算した在庫水準では2.5カ月分と、4月の2.4カ月分や3月の2.1カ月分、2月の2カ月分から4カ月連続で上昇したが、

1月の過去最低水準(1.9カ月分)に近いレベルにとどまる。

 地域別販売件数を見ると、中西部を除く全地区で減少した。全体の4割以上を占め、最もウエートが大きい南部は前月比0.4%減(前年比47.2%増)の259万戸と、4カ月連続の減少となった。北東部も同1.4%減(同46.9%増)の72万戸と、5カ月連続の減少。西部も同4.1%減(同61.6%増)の118万戸と、3カ月連続で減少した。中西部は同1.6%増(同27.2%増)の131万戸と、2カ月連続で増加した。

 一方、中古住宅価格は中央値で前月比2.8%上昇の35万ドルと、4カ月連続で上昇し、過去最高値を更新した。前年比も23.6%上昇と、最も高い伸びとなった。111カ月連続で前年水準を上回っている。住宅供給不足が続いているため、一つの物件に複数の買い手が殺到し、住宅価格に上昇圧力がかかっている。

<関連銘柄>

NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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