<新興国eye>前週の上海総合指数、7-9月期経済見通し引き下げ観測を嫌気し反落=BRICs市況

新興国

2021/7/5 10:57

 前週(6月28日-7月2日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数の2日終値が6月25日終値比2.46%安の3518.76となり、反落した。

 週明け28日の指数は小反落して始まり、29日に大幅安し、続落。

 週前半は、中国5月工業部門企業利益が前年比36.4%増の8299億2000万元となったが、原材料価格の上昇で利益が縮小し、4月の同57%増から伸びが大幅に鈍化したこと受け、金融株を中心に売りが優勢となった。その後は、中国人民銀行(中銀)が銀行間市場の適度な流動性を維持する方針を示したが、市場では再び短期流動性の吸収が始まるとの見方が強まり、株価下落要因との懸念が広がった。

 30日は反発。半導体不足による製品価格の上昇で増益になるとの観測で、半導体関連企業が急伸したことや、国家統計局が発表した6月製造業PMI(購買担当者景気指数)が市場予想を上回ったことが好感され、買い優勢となった。

 7月相場入りした1日は小反落し、週末2日は大幅に値下がりし、続落した。

 1日は、6月財新製造業PMIが市場予想を下回ったことを受け、景気回復懸念が強まり、売り優勢。2日は、米証券大手モルガン・スタンレーが4-6月に見られた幅広いマクロ面の低迷を理由に中国の第2四半期(7-9月期)経済成長率見通しを引き下げたことや、インド発生の変異ウイルス(デルタ株)感染拡大が嫌気され、売りが一段と強まった。

 今週(5-9日)の株式市場は、引き続き、米中関係や国内外のデルタ株感染拡大とワクチン接種の動向、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では政策引き締めの動きや人民元相場、原油などのコモディティー相場などが注目される。主な経済指標の発表予定は9日の6月CPI(消費者物価指数)と6月PPI(生産者物価指数)など。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>、iSエマジン<1582.T>

提供:モーニングスター社

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