<新興国eye>ポーランド中銀、政策金利を据え置き―13会合連続

新興国

2021/7/9 12:23

 ポーランド中銀は8日の金融政策委員会で、主要政策金利の7日物レファレンス金利を過去最低水準の0.10%に据え置くことを決めた。また、ロンバート金利と再割引金利、公定歩合、預金金利もそれぞれ0.50%、0.11%、0.12%、0.00%に据え置いた。

 中銀は15年3月に5カ月ぶりに利下げ(0.50ポイント)したあと、同4月に据え置きに転じ、20年3月4日の定例会合まで55会合連続で据え置いたが、新型コロナウイルスのパンデミック(感染症の世界的大流行)による経済への悪影響を抑制するため、同17日の緊急会合で5年ぶりに0.50ポイントの利下げを決めた。4月も0.50ポイント、5月も0.40ポイントと、3会合連続で引き下げ、利下げ幅が計1.40ポイントに達したことを受け、6月会合で据え置きに転じた。

 21年に入っても据え置きを継続し、これで13会合連続の据え置きとなる。

 また、今回の会合でも量的金融緩和(QE)継続を決めた。買い入れ時期や規模についても、前回会合時と同様、「金融市場の状況を判断して決める」とした。中銀は金融システムに流動性を潤沢に供給するため、通常の公開市場操作(オペ)に加え、20年4月会合で流通市場から国債や政府保証債を買い入れることを決めていた。さらに、中銀はパンデミックの悪影響を受けている企業が銀行から借り換え融資が受けられるよう手形割引を通じて支援する政策も据え置いた。

 中銀は今回の会合で経済予測を示した最新の四半期インフレ報告書を了承した。それによると、インフレ見通しは21年が3.8-4.4%上昇(前回3月予想時点は2.7-3.6%上昇)、22年は2.5-4.1%上昇(同2.0-3.6%上昇)、23年は2.4-4.3%上昇(同2.2-4.2%上昇)と、いずれも前回予想よりもインフレ見通しを引き上げた。「6月のインフレ率は前年比4.4%上昇と、高い伸びとなった。今後数カ月、インフレは物価目標を上回る」としたが、「22年はサプライチェーンのボトルネック(制約による品不足)などインフレ加速の一時的要因がなくなり、減速する」と見ている。

 一方、GDP(国内総生産)見通しは21年が4.1-5.8%増(同2.5-5.3%増)、22年は4.2-6.5%増(同4-6.9%増)、23年は4.1-6.5%増(同4-6.8%増)となっており、21年が上方修正された。

 通貨ズロチの為替相場については、「景気回復のペースは為替相場の動向に強くかかわっている」とした上で、「金融緩和政策の経済支援効果を高めるため、市場介入を実施する。市場介入のタイミングと規模は市場の状況に応じて判断する」との方針も据え置いた。

 次回の会合は9月8日に開かれる予定。

<関連銘柄>

 上場EM債<1566.T>、上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

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