<米国株情報>米バイオジェン、株価急落―認知症治療薬のFDA認可疑惑で

株式

2021/7/12 10:03

 米バイオ医薬品大手バイオジェン・アイデック<BIIB>と日本の同業大手エーザイ<4523.T>が共同開発した認知症(アルツハイマー病)治療薬候補「アデュカヌマブ(ADUCANUMAB)」(医薬品名はアデュヘルム)が6月初め、米食品医薬品局(FDA)により新薬として認可されたが、FDAの最高責任者であるジャネット・ウッドコック長官代行が認可過程が適切だったかどうかについて保健福祉省の監督部門である監察総監室(OIG)に調査を要請。同長官代行が9日付のツイッターで明らかにした。

 同長官代行がツイッター上で公開した、OIGのクリスティ・グリム室長代行宛ての書簡では、「バイオジェンとFDAとの間にどんな交流があり、それはFDAの政策方針や手続きに従ったものかどうか審査するため、OIGのような独立した調査機関によって認可過程が調査されることは大事なことだと考える」としている。

 こうした背景には、認可前の新薬承認の是非を問うFDAの末梢・中枢神経系薬諮問委員会で同薬に対する反対意見が多数だったにもかかわらず、FDAの権限で認可したことがある。同薬の認可前、末梢・中枢神経系薬諮問委員会は20年11月、アデュカヌマブの新薬認可について、8対1の多数で同薬の認可を拒否し、また、他の2委員は判断を保留とした。拒否理由について、同委員会は、「バイオジェンの後期臨床試験ではアデュカヌマブがアルツハイマー病を効果的に治療したことを示す強い根拠はない」とし、また、2委員は、バイオジェンが示した臨床試験に関するデータは「不透明だ」と指摘している。

 これを受け、同社の株価は9日、前日終値比で一時3%超下落、結局、2.95%安の358.16ドルで引けた。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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