<新興国eye>前週のブラジル株、米早期利上げ観測後退で3週ぶり反発=BRICs市況
2021/8/30 11:00
前週(23-27日)のブラジル株式市場は27日のボベスパ指数が前日比1.65%高の12万0677.6、週間ベースでは20日終値比2.22%高となり、3週ぶりに反発した。
週明け23日の指数は反落して始まった。
23日は、ボルソナロ大統領が過去2回の大統領選挙の投票で不正行為が行われたと主張し、さらには22年総選挙の投票方法の変更を要求していることを受け、最高裁が大統領の過激な言動について調査を開始したことから双方の関係が悪化し、政治混乱が深まるとの懸念が広がった。
24日は反発し、25日も値を上げ、続伸。
24日は、FRB(米連邦準備制度理事会)による早期テーパリング(量的緩和の段階的縮小)観測の後退や、ドイツ4-6月期GDP(国内総生産)改定値が市場予想を上回ったことなどを受け、海外株高となり、ブラジル市場でも買いが優勢となった。
25日は、欧米市場が堅調となったほか、原油先物価格の上昇を受け、資源関連セクターが物色され、指数を押し上げた。
26日は反落。複数のFRB高官がテーパリングの開始を急ぐべきとの見解を示すと、海外市場が下落し、ブラジル市場でも売りが優勢となった。
週末27日は反発。パウエル議長が毎年恒例のジャクソンホール会議での講演で年内のテーパリング開始を支持したが、利上げを急がない考えを示したことが好感され、買いが優勢となった。
今週(8月30日-9月3日)の株式市場は、国内外のデルタ株感染拡大やワクチン接種の動向に加え、米国の景気・インフレ・長期金利の動向、欧米と中国の緊張激化、欧米やアジアの市場動向、原油などの国際商品相場の動向、政府の新型コロナ対応の遅れを調査するCPI委員会の動向などが注目される。主な経済指標の発表予定は30日のジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)8月IGP-MIインフレ指数や31日の7月財政収支、1日の4-6月期GDPと8月製造業PMI(購買担当者景気指数)、8月貿易収支、2日の8月IPC-Fipeインフレ指数(サンパウロ大学経済研究所が発表する消費者物価指数)と7月鉱工業生産など。
<関連銘柄>
ボベスパ<1325.T>、iSエマジン<1582.T>、上場MSエマ<1681.T>、
上場EM債<1566.T>
提供:モーニングスター社
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