米9月小売売上高、前月比0.7%増―市場予想0.2%減に反するサプライズ

経済

2021/10/18 10:01

<チェックポイント>

●物価上昇でガソリン販売価格が急増

●自動車・同部品は5カ月ぶりにプラス転換

●コア小売売上高は前月比0.8%増―2カ月連続で増加

 米商務省が15日発表した9月小売売上高(季節・営業日調整後)は前月比0.7%増の6254億ドルと、8月の同0.9%増(改定前0.7%増)からさらに伸び、市場予想の0.2%減を上回るサプライズとなった。

 市場ではサプライチェーンのボトルネック(制約による品不足)による在庫不足による物価上昇で消費支出額がかさ上げされたとみている。

 全13業種のうち、前月比では大半の11業種が増加した。スポーツ用品・趣味・楽曲・書籍が3.7%増(8月は3.3%減)と、増加幅が最も大きくなった。次いで百貨店やスーパーなどの量販店を含む一般小売販売の2.0%増(同3.4%増)、どのカテゴリーにも入らない「その他小売」の1.8%増(同1.7%増)、アパレルの1.1%増(同0.4%増)となった。オンライン小売は0.6%増(同5.7%増)だった。

 このほか、グローサリーストア(食品雑貨店)を含む食品・飲料水販売は0.7%増(同2.2%増)、家具は0.2%増(同1.8%増)、ホームセンターなど建築資材・園芸は0.1%増(同1.1%増)、外食(レストラン・バー)は0.3%増(同0.2%増)となった。外食はデルタ株感染拡大で伸びが抑えられた。

 対照的に、電子機器・家電は0.9%減(同4.3%減)となった。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)初期に巣ごもり需要の高まりでかなり買われたため、その反動で減少した。ヘルス(薬局・美容)も1.4%減(同0.2%増)と低迷した。

 月ごとに変動が大きい自動車・同部品は季節調整後で、前月比0.5%増(同3.3%減)と、5カ月ぶりにプラスに転じた。8月は自動車用半導体の供給不足で減産に追い込まれたため、在庫不足で販売が落ち込み、サプライチェーンのボトルネックによる原材料費の上昇で販売価格が急上昇した。ちなみに、自動車・同部品だけを除いた小売売上高は同0.8%増(同2.0%増)となり、市場予想の同0.8%増と一致した。

 一方、ガソリンスタンドは、ドライブ需要に加え、最近の急速なインフレ加速によるガソリン価格の急上昇で、同1.8%増(同1.0%増)と8月を大きく上回った。ガソリンスタンドを除いた小売売上高は同0.6%増となり、ガソリンスタンドが全体の押し上げに寄与した。

 ガソリンスタンドと自動車・同部品に加え、建築資材や飲食レストランを除いた、いわゆる“コア小売売上高”(コントロール・グループ)は前月比0.8%増と、2カ月連続で増加した。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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