<青天を衝く飛躍株>海運株から資源株へ―東邦鉛の大相場は始まったばかり

株式

2021/10/19 8:50

―亜鉛価格は14年ぶり高値―

 資源価格の高騰を受け、三井松島ホールディングス<1518.T>や大紀アルミニウム工業所<5702.T>、東邦亜鉛<5707.T>、エンビプロ・ホールディングス<5698.T>などが値を飛ばしている。そうした中から、今回は業績拡大余地が最も大きいと予想される東邦鉛に注目したい。

 同社は今3月期の第1四半期の連結営業利益が34億5700万円(前年同期比4倍)に拡大した。通期の予想は営業利益を期初の54億円から81億円(前期比37.4%増)に増額している。

 LME(ロンドン金属取引所)の亜鉛価格を月平均で見ると、今年3月に1トン=2790ドル、6月に2950ドルだったが、10月15日時点で3800ドル台まで上昇している。これに伴い国内価格(月平均)も3月35万4200円、6月37万8700円、9月38万9500円と切り上がり、10月半ば時点では40万円台を大きく上回り騰勢を強めている。

 その結果として、東邦鉛は第2四半期(7~9月)決算(11月9日予定)において再度の大幅な上方修正が期待される。

―増額余地が大きい理由-

 原油や天然ガスはこれから需要期に入る。今冬はラニーニャ現象による厳しい寒さが予想されている。よってエネルギー価格は下がりにくい。非鉄金属相場の強調展開も示唆している。

 東邦鉛の亜鉛価格の収益前提は、第2四半期以降2600ドル(通期で2679ドル)。10ドルの上昇は営業利益ベースで2700万円の増額要因と試算され、仮に来年3月までの亜鉛価格が10月より低い9月の水準で推移したとしても大きな増額要因になる。

 株価はきょう18日に3515円を付け年初来高値を更新しているが、上昇余地は依然大きい。2018年の上場来高値が6880円だったこと、LMEの亜鉛価格が14年ぶりの高値圏にあることを考慮すると、青天井はスタートしたばかりと考えられる。前月までの海運株のような大相場に発展するかもしれない。

提供:モーニングスター社

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