<新興国eye>前週の上海総合指数、新型コロナ感染再拡大、石炭価格規制を嫌気し反落=BRICs市況

新興国

2021/11/1 10:06

 前週(10月25-29日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数の29日終値が22日0.98%安の3547.336となり、反落した。

 週明け25日の指数は反発して始まった。中国人民銀行(中銀)がリバースレポ取引を通じ、1900億人民元の資金を金融市場に供給したことが好感された。

 26日は反落し、28日まで3日続落した。

 26日は、不動産開発会社の当代置業がドル建て社債の元利払いに失敗したことや、政府が不動産税(個人向け固定資産税)を一部都市で試験導入する計画を発表したことが嫌気され、不動産セクターが指数の下げを主導した。

 27日は、新型コロナ感染再拡大を受け、一部で移動制限が強まったことや、台湾問題を巡る米中関係の悪化懸念、FBI(米連邦捜査局)がサイバー攻撃の捜査で電子決済端末メーカー、百富環球科技(PAXグローバル・テクノロジー)の米国事務所を家宅捜索したことが嫌気された。また、当局の石炭価格規制方針で石炭関連セクターも売られ、指数の下押しにつながった。

 28日も、中国の石炭先物価格が直近1週間で47.6%急落したことや、非鉄金属の先物価格が下落したことを受け、エネルギー・資源セクターが売られ、相場を押し下げた。

 週末29日は反発。相場の急落が一服し、生活必需品やヘルスケア、IT関連セクターを中心に買い戻しが入った。

 今週(1-5日)の株式市場は、引き続き、米中関係や国内外のデルタ株感染状況、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では中国恒大の債務問題や電力供給不足問題、景気対策、人民元相場、石炭や原油などのコモディティ相場などが注目される。主な経済指標の発表予定は1日の10月財新製造業PMI(購買担当者景気指数)や3日の10月財新サービス業PMIなど。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>、iSエマジン<1582.T>

提供:モーニングスター社

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