<新興国eye>前週のインド株、日米証券大手のインド株式格下げ相次ぎ、続落=BRICs市況

新興国

2021/11/1 10:27

 前週(10月25-29日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の29日終値は前日比1.13%安の5万9306.93、週間ベースでは22日終値比2.49%安となり、続落した。

 週明け25日の指数は5営業日ぶりに反発して始まり、26日も値を上げ、続伸。

 25日は、前の週からの下げが一服し、買い戻しが活発化した。主要企業の7-9月期決算が平均で24%の増益となったことや、政府の21年度(21年4月-22年3月)の財政赤字目標(対GDP比6.8%)が達成される見通しとなったことも好感された。

 26日は、インドの21年度経済成長率が9.5%増に回復するとの観測が支援材料となった。鉄鋼大手タタ・スチールや塗料最大手アジアン・ペインツなどが買われたほか、ソフトウエア大手テック・マヒンドラが好決算で急伸し、指数の上げを主導した。

 27日は反落し、週末29日まで3営業日続落した。

 27日は、翌週の「ディワリ祭」の祝日を控え、ガソリンや食品の価格上昇で消費が落ち込むとの懸念が広がり、アクシス銀行や金融サービス大手バジャージ・ファイナンスなど金融セクターが指数の下げを主導した。

 28日は、モルガン・スタンレーや野村など日米の大手証券会社が相次いでインド株式への投資判断を引き下げたことが嫌気された。

 29日は、インド鉄道ケータリング観光公社(IRCTC)がオンライン切符販売に関する手数料収入の半分を鉄道省に支払うことが決まったことや、航空最大手インターグローブ・アビエーションも7-9月期決算が大幅赤字となったことが嫌気され、相場を押し下げた。

 今週(1-3日)のインド市場は、新型コロナワクチン接種の動向や世界経済、特に米・中・欧の景気動向、米中関係、原油価格の動向、インド国内の景気動向、主要企業の四半期決算などが注目される。主な経済指標の発表は1日の10月日経製造業PMI(購買担当者景気指数)、3日の10月日経サービス業PMIなど。4日と5日は「ディワリ祭」の祝日で休場となる。

<関連銘柄>

 上場インド<1549.T>、インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、

 インドベア<2047.T>、iSエマジン<1582.T>

提供:モーニングスター社

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