米10月住宅着工件数、前月比0.7%減の152万戸―2カ月連続のマイナスで市場予想下回る

経済

2021/11/18 10:40

<チェックポイント>

●一戸建て急減、アパートは急増

●許可件数、一戸建て・アパートが増加に転じ、市場予想上回る

●建築中件数、供給寸断の影響で急増―47年8カ月ぶり高水準

 米商務省が17日発表した10月住宅着工件数(季節調整値)は年率換算で前月比0.7%減の152万戸と、9月の同2.7%減(改定前は1.6%減)に続いて2カ月連続で減少し、2月(144万7000戸)以来、8カ月ぶりの低水準となった。市場予想の158万戸に対しても下回った。

 着工件数が減少したのは、主力の一戸建てが同3.9%減の103万9000戸と急落し、20年8月(102万3000戸)以来14カ月ぶりの低水準となったため。一方、月ごとに変動が激しいアパート(5世帯以上)は前月比6.8%増の47万戸と8月(47万8000戸)以来2カ月ぶりの高水準に戻った。

 市場では住宅価格上昇による住宅販売減少に加え、サプライチェーンのボトルネック(制約による品不足)や資材・土地価格上昇、労働者不足と賃金の上昇、用地取得難が続いているため、依然として着工が抑制されているとみている。

 一戸建てのバックログ(建築許可が下りたあと、未着工となっている件数)は前月比4.8%増の15万2000戸と、9月の同2.7%減の14万5000戸から急増(悪化)した。

 地域別着工件数では、北東部が前月比0.8%減(うち、一戸建ては同15.2%減)と、急減し、全体の約6割を占める主力の南部も同1.0%減(同1.8%減)、南部に次ぐ西部も同3.3%減(同4.2%減)となった。中西部は同5.6%増(同7.5%減)だった。

 一方、先行指標である住宅建築許可件数は前月比4.0%増の165万戸と、増加に転じ、8月(172万1000戸)以来2カ月ぶりの高水準に戻り、市場予想の163万戸を上回った。

 一戸建ての完成住宅件数は前月比1.7%減の92万9000戸となり、6月(92万2000戸)以来4カ月ぶりの低水準となった。アパート(5世帯以上)は同4.1%増の30万2000戸と、3カ月ぶりに増加に転じたため、全体では同横ばいの124万2000戸となり、減少は2カ月連続で止まった。

 他方、一戸建ての建築中件数は前月比1.4%増の72万6000戸と、昨年6月以降17カ月連続の増加となった。アパート(5世帯以上)は同1.9%増の71万2000戸となり、全体では同1.6%増の145万1000戸と、74年2月(145万9000戸)以来47年8カ月ぶりの高水準となった。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:モーニングスター社

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