<一撃!裏銘柄>環境分野で攻勢、中国EV展開に注目―ネツレン

株式

2021/11/18 11:30

 鋼材の表面を高温加熱し、その後急速冷却する「焼き入れ」の加工で知られるネツレン<5976.T>は、業績のV字回復が視野に入る。

 同社は電気を熱源とする金属熱処理加工の大手。日本で初めて事業化に成功したIH(誘導加熱)の技術は、事業化に成功しの排出量が少なく短時間で効率的に焼き入れができる。

 今3月期上期の連結業績は、売上高が244億円(前年同期比33%増)、営業利益が18億円(前年同期は7億円の赤字)となった。通期会社計画は営業利益33億円(前期比3.6倍)と、コロナ禍前の2019年3月期に迫る水準を見込んでいる。

 環境分野で攻勢を掛ける同社は、EV(電気自動車)の車重に耐えられる世界最大径の冷間成形用太径ITW(高強度ばね鋼線)を中国子会社と共同で開発し、中国市場に投入した。中国政府は新車販売における新エネルギー車比率を25年までに20%、30年までに40%に引き上げる方針。EVの生産台数が大幅に増加する見通しのため、今後の受注拡大への期待が高まっている。

 同社は中国展開を足掛かりに、大型EVの需要が増加している北米・欧州で商機獲得を模索する。1月には一般社団法人日本鉄鋼協会から学会賞(西山賞)を受賞するなど、好評価を受けている点も注目に値する。

 テクニカルでは、7月9日安値526円から9月8日高値721円までの日柄が10週で、ここから先週でさらに10週が経過した。対等数値の理論では株価は上昇局面に転じると考えられる。時価にほど近い週足一目均衡表の先行スパン(雲)上限や52週移動平均線が下値サポートとして機能していることからも、買い場としてとらえることが可能だ。

提供:モーニングスター社

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