日経平均は5円安と小幅続落、一時400円超安後に上げ転換の場面も、米株先物高が支えに=29日前場

 29日前場の日経平均株価は前週末比5円13銭安の2万8746円49銭と小幅続落。朝方は、売りが先行した。新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン型」への警戒感から、前週末に先行して大幅安(747円66銭安)となっていたが、同日の欧米株式の大幅下落を受け、改めて投資家心理が後退した。円高・ドル安も重しとなり、前場早々には2万8335円61銭(前週末比416円01銭安)まで下押した。一巡後は、時間外取引の米株価指数先物高もあって自律反発狙いの買いに上げに転じ、一時2万8776円34銭(同24円72銭高)まで値を上げた。その後は前引けにかけて前週末終値近辺でもみ合った。

 東証1部の出来高は7億505万株、売買代金は1兆5884億円。騰落銘柄数は値上がり643銘柄、値下がり1443銘柄、変わらず92銘柄。

 市場からは「前週末は売られ過ぎで、米株先物高を横目に買い戻しが入り始めている。新変異株の全容が分かるまでは2-3週間掛かりそうで、しばらくはもたつくだろう。ただ、デルタ株で大騒ぎした後に相場が戻したように投資家は学習している。政策も支えとなり、さらに崩れることはないだろう」(中堅証券)との声が聞かれた。

 業種別では、ブリヂス<5108.T>、TOYO<5105.T>、浜ゴム<5101.T>などのゴム製品株や、日産自<7201.T>、トヨタ<7203.T>、ホンダ<7267.T>などの輸送用機器株が軟調。東レ<3402.T>、帝人<3401.T>、東洋紡<3101.T>などの繊維製品株も安い。東急<9005.T>、京成<9009.T>、西武HD<9024.T>などの陸運株や、日本紙<3863.T>、中越パルプ<3877.T>、レンゴー<3941.T>などのパルプ紙株も値を下げた。T&DHD<8795.T>、第一生命HD<8750.T>、東京海上<8766.T>などの保険株や、三菱UFJ<8306.T>、三井住友<8316.T>、りそなHD<8308.T>などの銀行株も売られた。ENEOS<5020.T>、コスモエネH<5021.T>などの石油石炭製品株や、日本製鉄<5401.T>、JFE<5411.T>などの鉄鋼株もさえない。

 半面、川崎汽<9107.T>、商船三井<9104.T>、郵船<9101.T>などの海運株が上昇。任天堂<7974.T>、バンナム<7832.T>などのその他製品株も堅調。東エレク<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>、スクリーン<7735.T>などの電機株も買われた。ZHD<4689.T>、ネクソン<3659.T>、NTTデータ<9613.T>などの情報通信株や、エムスリー<2413.T>、リクルートHD<6098.T>、サイバー<4751.T>などのサービス株も高い。

 個別では、ジャステック<9717.T>、日新<9066.T>、東洋電<6505.T>、ファーストブラザーズ<3454.T>、木村化工機<6378.T>などの下げが目立った。半面、北陸電工<1930.T>、シンプレHD<4373.T>、オルトプラス<3672.T>、バリューHR<6078.T>、Vキューブ<3681.T>などの上げが目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、28業種が下落した。

提供:モーニングスター社

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