<新興国eye>カンボジア「2022年経済センサス」、3月1日から調査開始

新興国

2022/3/18 7:48

 カンボジア国内の事業所等の実態を調査する「2022年経済センサス」の調査が3月1日から開始されました。3月31日までの予定です。

 最初の経済センサスは、日本の支援により11年3月1日を調査日として実施されました。その結果、カンボジア全国の事業所数は50万5134事業所と判明しました。このうち、従業者100人以上の大規模事業所数はわずか787であるのに対し、従業者一人の事業所数が22万2126事業所、従業者2人の事業所数が17万6219事業所と、8割近くが従業者2人以下の零細事業所でした。センサスを実施する計画省によりますと、21年時点で事業所数は74万3532事業所と、11年に比べて47%増加しているとのことです。

 日本政府は、05年から計画省への支援を開始し、08年人口センサス、09年全国事業所リスティング、11年経済センサス、13年中間年人口センサス等を全面的に支援してきました。

 こうした基礎的統計調査は地味な活動ですが、今後の政策や計画を策定する際になくてはならない重要なものです。フン・セン首相も、今回の経済センサスの結果は16-30年の持続的開発目標達成のための政策策定の基礎的な情報となるとして、その重要性を指摘し、企業、工場、卸売・小売店等、全てのビジネスに、この調査への協力を強く要請しています。

 日本政府の支援を受けて始まったセンサスですが、カンボジアが自力で実施するようになっており、日本の支援の成功例の一つと見られます。

【筆者:鈴木博】

1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin-Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。

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提供:モーニングスター社

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