日経平均は166円高と反発、米国株高で買い先行、権利取りや配当再投資への期待も支え=29日前場

 29日前場の日経平均株価は前日比166円84銭高の2万8110円73銭と反発。朝方は、NY原油先物安を背景に28日の米国株式市場で主要3指数が上昇した流れを受け、買いが先行した。いったん伸び悩む場面もあったが、きょうは3月末配当の権利付き最終売買日で、権利取りの動きや配当再投資に絡む先物買いへの期待もあり、次第に上げ幅を拡大し、一時2万8227円53銭(前日比283円64銭高)まで上昇した。その後は戻り売りや利益確定売りに上値の重い動きとなった。

 東証1部の出来高は6億2009万株、売買代金は1兆4813億円。騰落銘柄数は値上がり1104銘柄、値下がり984銘柄、変わらず90銘柄。

 市場からは「配当狙いの買いは今日までで、配当再投資に絡む先物買いについても先回り買いを踏まえると需給面でのピークを迎えたのではないか。米利上げ自体は相場に織り込んでいるが、ウクライナ情勢は依然不透明であり、いったん休養があっても不思議ではない」(国内投信)との声が聞かれた。

 業種別では、トヨタ<7203.T>、ホンダ<7267.T>、SUBARU<7270.T>などの輸送用機器株が堅調。郵船<9101.T>、商船三井<9104.T>、川崎汽<9107.T>などの海運株も高い。7&iHD<3382.T>、ファーストリテ<9983.T>、ニトリHD<9843.T>などの小売株や、エムスリー<2413.T>、サイバー<4751.T>、リクルートHD<6098.T>などのサービス株も値を上げた。中部電力<9502.T>、九州電力<9508.T>などの電気ガス株や、ソフバンG<9984.T>、トレンド<4704.T>、ネクソン<3659.T>などの情報通信株も引き締まった。任天堂<7974.T>、バンナム<7832.T>、アシックス<7936.T>などのその他製品株や、ソニーG<6758.T>、TDK<6762.T>、太陽誘電<6976.T>などの電機株も買われた。

 半面、出光興産<5019.T>、ENEOS<5020.T>などの石油石炭製品株が軟調。日水<1332.T>、サカタのタネ<1377.T>などの水産農林株もさえない。京急<9006.T>、近鉄GHD<9041.T>、西武HD<9024.T>などの陸運株も安い。三菱地所<8802.T>、三井不<8801.T>などの不動産株や、日揮HD<1963.T>、大林組<1802.T>、鹿島<1812.T>などの建設株も売られた。

 個別では、エンビプロH<5698.T>、ピアラ<7044.T>がストップ高となり、LITALICO<7366.T>、あすか製薬H<4886.T>、エスプール<2471.T>などの上げも目立った。半面、石油資源<1662.T>、大阪チタ<5726.T>、Sサイエンス<5721.T>、ホクシン<7897.T>、ルネサンス<2378.T>などの下げが目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、21業種が上昇した。

提供:モーニングスター社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ