テンダ、テンダラボ・事業間シナジー強化・人材確保を成長ドライバーに2ケタ成長目指す

株式

2022/4/11 9:16

 テンダ<4198.T>が3月30日、オンラインで開催されたモーニングスター主催の個人投資家向けIRフェアにおいてIR説明会を行った。

 同社は、EC(電子商取引)ショップや会員サイトなどのWebサイトの構築や、ワークスタイル変革のための業務効率化の開発、AIやRPAといったデジタル技術を活用した顧客企業のサービス再構築、技術者派遣などを手掛けるITソリューション事業、マニュアル自動作成ソフト「Dojo」やシステム操作ナビゲーション「Dojoナビ」を提供するビジネスプロダクト事業、ソーシャルゲームを運用するゲームコンテンツ事業を展開する。

 コアビジネスはITソリューション事業で、「ITを活用した業務効率化や業務改善・改革をトータルにサポートすることを得意としている」(代表取締役会長の小林謙氏)。一方、ビジネスプロダクト事業では、マニュアル自動作成ソフト「Dojo」は多様な業界・規模をカバーし、2021年時点で累計導入企業が2700社を超えており、「12年以上にわたってトップシェアを守り続けている」(小林会長)という。セグメント別売上構成比では、ITソリューション事業が63%、ビジネスプロダクト事業が18%となっており、2事業を合わせたワークスタイル変革ソリューション領域が約80%を占めている。

 小林会長は、800人以上の動員力を誇るIT人材プラットホームのほか、上流のコンサルタントやプロダクト提案、システム開発や運用・保守まで、ワンストップで支援することで顧客からの信頼を獲得し、クロスセルの増加や新規案件の獲得につながっていること、ITソリューション事業とビジネスプロダクト事業でシナジー効果を発揮していることを同社の強みとしてあげた。

 テンダを取り巻く市場環境も良好だ。最近はテレワークの普及拡大など、DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組む企業が増え、社内人員の再配置が進んでいる。ただ、IT系BPO事業は高い専門性が求められ、一般企業が容易に内製化できない業務も多い。小林会長は「(当社のような)ワークスタイル変革のための業務効率に強みを持つ企業は安定した受注が見込め、今後も高い成長性が続く」とみている。

 こうしたなか、テンダでは、国内ラボ型開発の「テンダラボ」、事業間シナジーの強化、アライアンスによる人材確保と育成を成長ドライバーとして位置付ける。テンダラボは従来の一括請負モデルと異なり、アサインメンバーやチームへの作業依頼に柔軟に対応できる。研究開発やPoC(概念実証)、仕様変更、追加開発の要望が発生しやすい案件でも迅速に対応する。「テンダラボはすでに多くの引き合いがあり、案件規模、受注件数ともに順調に推移」(小林会長)しており、第2四半期末時点で22社と、前期の20社を上回った。

 事業間シナジーの強化では、ビジネスプロダクト事業で展開する「Dojo」シリーズの導入をきっかけにITソリューション事業での開発案件を獲得するなど事業セグメントの垣根を超えたシナジー発揮によるクロスセルや新規案件の獲得を図る。また、IT人材不足に対応するため、博報堂プロダクツのほか、仙台・東北エリアの企業とともに、400人以上のエンジニア人材で構成される専門組織「博報堂プロダクツテクノロジーズ東北」を設立している。

 22年5月期の連結業績は、売上高34億3100万円(前期比14.9%増)、経常利益3億1000万円(同7.7%減)を計画。上半期を通してはDX-Ready(DX認定事業者)から多くの取引があり、第2四半期累計(21年6-11月)の営業利益は1億3100万円(前年同期は四半期財務諸表を作成していないため、比較はない)と、会社計画の1億500万円を上回った。配当については連結純利益の20%を目安に、継続的な配当を行うとし、22年5月期は期末一括で22円(前期は年間24円)を予定している。

 また、23年5月期以降は、売上高10-20%成長、経常利益10-15%成長を目指す。小林会長は、「新製品やサービスを創出し、成長の原動力とするとともに、M&A(企業の合併・買収)など他社とのアライアンスによる規模の拡大にも前向きに取り組んでいく」と述べた。

提供:モーニングスター社

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