<新興国eye>前週のロシアRTS指数、ルーブル高や対ロ制裁一服で3週ぶり反発=BRICs市況

新興国

2022/5/2 11:12

 前週(4月25-29日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の29日終値が前日比3.80%高の1081.52、前週比では22日終値比16.51%高となり、3週ぶりに反発した。

 週明け25日の指数は反発し、27日まで3営業日続伸した。

 25日は、EU(欧州連合)が新たな対ロ制裁案の検討に入ったほか、ブレント原油先物が1バレル=100ドルを割り込み下押ししたことで売りが先行したが、通貨ルーブルが納税期需要の高まりを受けて上昇し、指数を押し上げた。

 26日は、原油先物価格が105ドルに回復したことが好感され、買い戻しが広がった。グテーレス国連事務総長とロシアのラブロフ外相との会談で交渉によるウクライナでの停戦の実現に意欲を示した点で一致し地政学リスクが後退したことも、買い安心感につながった。

 27日は、鉄道貨物輸送大手グローバルトランスが配当金の支払いを決めたことを受け、15%高と急騰したほか、インターネットサービス最大手ヤンデックスも好調な1-3月期決算を受けて9%超急伸し、指数の上げを主導した。

 28日は小反落。ここ数日間の、相場上昇を受け、利益確定売りが出た。

 週末29日は急反発。ロシア中銀が景気支援のため、3.00ポイントンの大幅利下げを決めたことや、原油先物価格が109ドルを超えて上昇したことが好感された。

 今週(5月4-6日)のロシア市場は、引き続きロシアによるウクライナへの軍事侵攻や西側諸国の対ロ制裁による地政学リスク、原油・ガス相場などが焦点となる。RTS指数は900-1200ポイントの値動きが予想される。このほか、原油価格に影響を与える3日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や4日の米EIA週間石油在庫統計、3-4日のFOMC(米連邦公開市場委員会)も注目される。主な経済発表の予定は4日の4月製造業PMI(購買担当者景気指数)や6日の4月サービス業PMIなど。2-3日は「レーバーデー」の祝日で休場となる。

<関連銘柄>

 WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、原油<1690.T>、

 野村原油<1699.T>

提供:モーニングスター社

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