<新興国eye>山崎幸二統合幕僚長、カンボジアを公式訪問

新興国

2022/5/13 11:09

 4月28-29日、防衛省の山崎幸二統合幕僚長(陸将)がカンボジアを公式訪問し、フン・セン首相とティア・バニュ副首相兼国防大臣を表敬するとともに、ヴォン・ピセン国軍司令官、フン・マネット陸軍司令官と会談を行いました。

 フン・セン首相とティア・バニュ副首相兼国防大臣への表敬においては、戦略的パートナーシップに基づき発展してきた両国関係を評価するとともに、自衛隊とカンボジア軍の一層の連携について議論しました。また、22年のASEAN(東南アジア諸国連合)議長国であるカンボジアのリーダーシップの下、自衛隊としても各種活動における協力を積極的に実施していくことを確認しました。

 ヴォン・ピセン国軍司令官とフン・マネット陸軍司令官との会談においては、国際社会の平和と安定のため、日カンボジア間におけるPKO(国連平和維持活動)、教育交流といった幅広い分野における防衛協力・交流のさらなる推進について一致しました。また、「自由で開かれたインド太平洋」の実現のため、自衛隊とカンボジア軍がより一層緊密に連携し、域内の課題に対処していくことで一致しました。

 「親中派」とも言われるカンボジアでは、海軍基地等への中国軍進出疑惑も取りざたされ、米国も神経をとがらせています。こうした中で、カンボジアと信頼関係の深い日本が、カンボジアが中国に傾き過ぎないように様々なルートで外交努力を続けることには大きな意義があります。今回の統合幕僚長の訪問も、カンボジア軍との直接対話など、大きな成果があったものと見られます。

【筆者:鈴木博】

1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin-Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。

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提供:モーニングスター社

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