<新興国eye>前週のブラジル株、ペトロブラス社長辞任や追加利上げ懸念で4週続落=BRICs市況

新興国

2022/6/27 11:09

 前週(20-24日)のブラジル株式市場で、24日のボベスパ指数は前日比0.6%高の9万8672.26、週間ベースでは17日終値比1.15%安となり、4週続落した。

 週明け20日は小反発。社長が電撃辞任した国営石油大手ペトロブラスが5%超急落し、下げを主導。ただ、すぐに新社長に指名されると、株価は急速に値を戻し、指数も下げ渋った。

 21日は反落し、23日まで3営業日続落した。

 21日は、中銀が発表した前回会合の議事録を受け、次回8月2-3日会合で追加利上げを行うとの観測が強まり、売りが優勢となった。22日は、海外市場が下落し、ブラジル市場でも売りが強まった。原油安でペトロブラスと鉱山大手ヴァーレなどの資源セクターが売られたほか、再保険大手IRBブラジルが10%超急落し、下げを主導した。23日も追加利上げへの警戒感が根強く、売りが強まった。各国中銀の積極利上げに伴う世界景気後退懸念や、ブラジル国内での燃料価格の引き上げに対するトラック業界や貧困層への財政支援、ガソリンやディーゼルなどへの商品流通サービス税(ICMS)の減税などの財政措置により、財政収支が悪化するとの懸念も重石となった。

 週末24日は反発。FRB(米連邦準備制度理事会)による大幅利上げ観測が後退し、買いが優勢となった。米経済成長の鈍化と原油などコモディティ(国際相場商品)価格の下落の兆候が見られたことが背景。

 今週(6月27日-7月1日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側の対ロ追加制裁、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治動向、財政規律問題が注目される。主な経済指標の発表予定は29日のジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)6月IGP-MIインフレ指数や30日の5月財政収支、1日の5月鉱工業生産と6月貿易収支、5月PPI(生産者物価指数)など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、iSエマジン<1582.T>、上場MSエマ<1681.T>、

 iS新興国<1362.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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