RBA、政策金利を0.50ポイント引き上げ―市場予想通り

経済

2022/7/6 8:40

<チェックポイント>

●ロウ総裁、利上げ継続の考え示す

●インフレは年後半にピークに達する見通し

●市場は年末時点の政策金利を2.50%と予想

 豪準備銀行(RBA、中銀)は5日の理事会で、政策金利であるオフィシャルキャッシュレート(OCR、銀行間取引で使われる翌日物貸出金利)の誘導目標を0.50ポイント引き上げ、1.35%とすることを決めた。利上げは3会合連続。利上げ幅は前回6月会合と同率で、市場予想通りだった。

 また、市中銀行のRBAへの預入残高である為替決済(ES)バランス(銀行間決済口座)に適用される公定レートも同率引き上げ、1.25%とした。

 RBAのロウ総裁は会合後に発表した声明文で、前回会合時と同様、インフレ抑制に注力するとした上で、「金融正常化に向けたプロセスとして、今後数カ月さらなる措置を講じる」として、利上げ継続の考えを示した。

 追加利上げを決めた根拠について、同総裁は、前回会合時と同様、中国の新型コロナ対策によるサプライチェーンの寸断やロシアによるウクライナへの軍事侵攻でエネルギーや農産物の価格が上昇し、世界経済の見通しが依然不透明となっていることに加え、国内のインフレ要因もあって、短期的にインフレ加速懸念があることを強調した。RBAはインフレ率が年後半にピークに達するとみている。

 また、国内についても、失業率が落ち着いていることなどを踏まえ、「経済の強じん性とインフレ率の上昇は、コロナ禍の経済支援措置がもはや必要ないことを意味する」と指摘しており、金融政策の正常化の必要性も利上げの根拠として挙げている。

 今後のインフレの見通しについては短期的に加速すると予想したが、前回会合時と同様、「供給サイドの混乱が解消し、コモディティ(国際相場商品)価格が落ち着くに連れて、インフレ率は物価目標レンジの2-3%上昇に向かって低下する」と楽観的にみている。

 今後の金融政策決定については、景気の先行きに懸念を示し、「適切な金融政策の決定にあたっては、家計支出に対するさまざまな影響に細心の注意を払う」、とした。また、将来の金利上昇の規模とタイミングは今後の最新データとインフレ、雇用市場の見通しによって決めるとし、景気にも配慮し、慎重な金融引き締めを続けたい考えを示している。

 市場では、RBAは8月も0.50ポイント、その後は11月まで0.25ポイント引き上げ、年末までに政策金利が2.50%なるとみている。

 次回会合は8月2日に開かれる予定。

提供:モーニングスター社

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