FOMC議事録、7月会合では「0.5ポイントか0.75ポイントの利上げ」と
2022/7/7 9:55
<チェックポイント>
●ウクライナ情勢や中国コロナ対策で「インフレ抑制に時間要する」と
●FRBは経済のソフトランディングより物価安定を重視
●逆イールド発生で短期的なリセッションの可能性も
FRB(米連邦準備制度理事会)は6日、6月14-15日開催分のFOMC(公開市場委員会)議事録を公表。次回7月26-27日会合での追加利上げ見通しについて、「参加者は、次回の会合で0.5ポイントまたは0.75ポイントの引き上げが適切と指摘した」とし、引き続き大幅な利上げを検討していることが分かった。
また、「インフレ圧力の上昇が続く場合、制限的なスタンスが適切であると認識した」とした。制限的なスタンスとは、政策金利を中立金利(2.5%)以上に引き上げた場合、経済成長を抑えることになる「制限的な領域」に入ることを意味する。制限的な金融政策スタンスについて、市場ではFRBが政策金利をどこまで引き上げ、いつから利下げに転換するかという意味での「引き上げ限度」を示すと見ている。
インフレ見通しについては、「ロシアのウクライナへの軍事侵攻や中国でのコロナ感染拡大防止のためのロックダウン(都市封鎖)、サプライチェーンの混乱要因がインフレ見通しに影響を与え、インフレが2%上昇の物価目標に下がるまでには時間がかかる」とし、インフレの長期化懸念を示した。
その上で、「FOMC委員は、インフレ率を2%上昇に抑える過程で、強い労働市場を維持するには、需要と供給に影響を与える多くの要因に依存すると判断。金融引き締めが一時的に経済成長のペースを遅らせる可能性がある」とし、利上げ加速による消費需要の後退など景気に悪影響が及ぶ懸念を示した。しかし、「委員は持続的に最大雇用を達成するためにはインフレ率を2%上昇に戻すことが重要と考えている」とし、FRBは経済のソフトランディングよりも物価安定を重視する考えを強調している。
議事録の発表後、米国債市場では長期国債が売られ、利回りが急上昇。この結果、2年国債利回りが10年国債利回りを上回り、リセッションの兆候と見なされている逆イールド(長短金利の逆転現象)が起きた。
逆イールドは4月と6月に続いて3回目となる。過去2回はリセッションと判断するのは早いとの見方が広がったが、今回はFRBによる大幅な利上げが足かせになるとの懸念もあり、短期的なリセッションの可能性を示すとして警戒している。
<関連銘柄>
NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、
SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、
NYダウベア<2041.T>
提供:モーニングスター社
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