<新興国eye>前週のブラジル株、米大幅利上げ懸念や鉄鉱石相場下落で3週ぶり反落=BRICs市況

新興国

2022/7/19 12:39

 前週(11-15日)のブラジル株式市場は15日のボベスパ指数が前日比0.45%高の9万6551、週間ベースでは8日終値比3.73%安となり、3週ぶりに反落した。

 週明け11日の指数は大幅続落して始まった。中国で新型コロナの感染が再拡大し、一部地域でロックダウン(都市封鎖)が実施されたことや、原油・鉄鉱石価格の急落、米国と国内の大幅な追加利上げ懸念が相場を押し下げた。

 12日は小反発。ブラジル地理統計資料院(IBGE)が発表した5月サービス業売上高が前月比0.9%増と、前月の同0.1%減から増加に転じ、売りが一服した。

 13日は反落し、14日は大きく値を下げ、続落した。

 13日は、米6月CPI(消費者物価指数)が前年比9.1%上昇に急加速したため、1.00ポイントの大幅追加利上げ観測が強まったことや、中国が新型コロナ感染再拡大で、経済活動を制限するとの懸念が再燃し、売り優勢となった。

 14日は、ブレント原油先物が1バレル=1.91%安の97.67ドルと、急落。鉄鉱石相場も8.4%安と、急落したことを受け、鉱山大手ヴァーレが売られ、下げを主導した。また、大統領選まであと3カ月となる中、財政支出の伸びを今後20年間、インフレ率以下に抑制する憲法補足法案(PEC)の改正による、410億レアルの政府投資拡大法案が下院で可決(上院は7月1日に可決)したことを受け、財政赤字拡大懸念が広がったことも売り材料となった。

 週末15日は反発。前日、経済省が発表した22年のインフレ見通しが従来予想の7.9%上昇から7.2%上昇に引き下げられ、GDP(国内総生産)も1.5%増から2.0%増に上方修正されたことなどが好感され、買いが優勢となった。

 今週(18-22日)の株式市場は、ウクライナ情勢、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治動向、財政規律問題が注目される。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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