日経平均は88円高と続伸、2万8000円回復後に下げ転換の場面も=28日前場

 28日前場の日経平均株価は前日比88円46銭高の2万7804円21銭と続伸。朝方は、買いが先行した。FOMC(米連邦公開市場委員会)後のパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の記者会見で、次回以降の大幅な利上げへの警戒感が後退し、27日の米国株式が上昇した流れを受け、寄り付き後まもなく2万8015円68銭(前日比299円93銭高)まで上昇する場面があった。一巡後は、先物売りを交えて下げに転じた。円高進行も重しとなり、一時2万7651円99銭(同63円76銭安)まで軟化した。その後プラス圏に切り返したが、戻りは限定された。

 東証プライムの出来高は5億8787万株、売買代金は1兆4167億円。騰落銘柄数は値上がり705銘柄、値下がり1027銘柄、変わらず105銘柄。

 市場からは「日経平均2万8000円タッチで目先達成感はあるとみられる。円高を横目に新規に先物売りポジションを構築する動きが出たもようだ。ただ、下を売り込む材料もない。当面は決算にらみで個別株物色を強めることになろう」(中堅証券)との声が聞かれた。

 業種別では、中部電力<9502.T>、東電力HD<9501.T>、東ガス<9531.T>などの電気ガス株が上昇。INPEX<1605.T>、石油資源<1662.T>などの鉱業株も堅調。エムスリー<2413.T>、リクルートHD<6098.T>、電通グループ<4324.T>などのサービス株も高い。コスモエネH<5021.T>などの石油石炭製品株や、ブリヂス<5108.T>などのゴム製品株も値を上げた。郵船<9101.T>、商船三井<9104.T>、川崎汽<9107.T>などの海運株も引き締まり、信越化<4063.T>、資生堂<4911.T>などの化学株も買われた。

 半面、東京海上<8766.T>、第一生命HD<8750.T>、かんぽ生命<7181.T>などの保険株が軟調。塩野義薬<4507.T>、協和キリン<4151.T>、持田薬<4534.T>などの医薬品株や、積水ハウス<1928.T>、日揮HD<1963.T>などの建設株も安い。カゴメ<2811.T>、キッコーマン<2801.T>、サントリーBF<2587.T>などの食料品株や、三菱UFJ<8306.T>、三井住友<8316.T>、ゆうちょ銀行<7182.T>などの銀行株も売られた。

 個別では、三菱自<7211.T>、ビーグリー<3981.T>、東光高岳<6617.T>、メディアドゥ<3678.T>、ミマキエンジ<6638.T>などの上げが目立った。半面、Vコマース<2491.T>、小糸製<7276.T>、太平洋工<7250.T>、キッセイ薬<4547.T>、サイバー<4751.T>などの下げが目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、12業種が上昇した。

提供:モーニングスター社

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