<新興国eye>前週の上海総合指数、コロナ感染再拡大や景気見通し懸念で3週続落=BRICs市況

新興国

2022/9/5 9:33

 前週(8月29日-9月2日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数が週間ベースで3週続落。2日は3186.48(8月26日終値比1.54%安)だった。

 週明け29日は指数が反発。翌30日は反落し、1日まで3日続落した。

 週前半は、前週末の国務院(内閣に相当)の専項債(公益事業向け特別地方債)発行額の上積みと、金利低下を促す方針が引き続き支援材料となった。電力需給のひっ迫が一部地域で改善したことも買い安心感を与えた。ただ、コロナ感染再拡大に伴う規制強化やパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長のジャクソンホール講演での積極利上げ発言を受け、海外市場が軟調となったことが重しとなった。その後は、深センでコロナ感染が再拡大し、地下鉄の一時封鎖などの規制強化が嫌気され、中国経済の先行き不透明感から売りが優勢となった。

 週後半は、引き続きコロナ感染再拡大に伴う行動制限の強化が懸念された。欧米の金融引き締めの長期化観測が広がり、売りが強まった。8月製造業PMI(購買担当者景気指数)は49.4と、前月(49.0)と市場予想(49.2)を上回ったものの、依然、好不況の判断の境目となる50を下回ったことが懸念材料となった。その後は、深センでコロナ感染者が急増し、屋内娯楽施設が閉鎖されるなど規制が強化されたことや、四川省成都でロックダウン(都市封鎖)の導入が発表されたことを受け、景気の先行き懸念や不動産業の苦境が意識され、売りが広がった。

 週末2日は反発。コロナ感染再拡大で深センや成都などの主要都市でロックダウンの導入など規制がさらに強化されたため、景気の先行き不透明感が強まった。ただ、中国人民銀行(中銀)が今後、金融政策の調整余地があるとしたことが支援材料となった。

 今週(5-9日)の株式市場は引き続き、電力不足や新型コロナ感染再拡大、台湾情勢を巡る米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場も注目される。主な経済指標の発表予定は5日の8月CAIXIN(財新)中国サービス業PMI(購買担当者景気指数)や7日の8月貿易収支、9日の8月CPI(消費者物価指数)など。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>

提供:モーニングスター社

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