<新興国eye>前週のインド株、欧米株安や米利上げ長期化見通しを受け続落=BRICs市況

新興国

2022/9/5 9:36

 前週(8月29日-9月2日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の2日終値は前日比0.06%高の5万8803.33、週間ベースでは8月26日終値比0.05%安と、続落した。

 週明け29日は指数が反落。翌30日は急反発した。31日は「ガネーシャ祭」の祝日で休場。取引が再開された1日は反落した。

 週前半は、前週末の欧米市場の下落を受け、アジア市場が軟調となったことを嫌気し、インド市場でも売りが優勢となった。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長のジャクソンホール講演での積極利上げ発言を受け、米利上げの長期化によるインド市場からの投資資金流出や国内のインフレ高騰の長期化による景気回復の遅れが背景。その後は、外国人投資家が買い越しとなり、景気回復期待も強まったため、前日とは一転して買い戻され、全面高となった。上げ幅も20年5月以来、2年超ぶりの大幅高となっている。

 週後半は、休場明けの取引で、欧米市場が軟調となり、インド市場でも売りが優勢となった。政府が航空機用ジェット燃料の輸出税と、国内産原油への超過利潤税を引き上げたことを受け、エネルギー関連セクターが売られたほか、格安航空大手スパイスジェットが4-6月期の赤字決算を受け、CFO(最高財務責任者)が辞任したことが嫌気され、急落。下げを主導した。

 週末2日は小反発。手掛かり材料難となり、売り買いが交錯する展開。港湾運営大手アダニポーツ&SEZがニフティ50指数の構成銘柄に指定されたことが好感され、急騰したほか、インドの大手テレビ局NDTV(ニューデリー・テレビジョン)とインド最大のたばこメーカーITCも急騰し、上げを主導した。

 今週(5-9日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内の景気動向、主要企業ニュース、インド太平洋枠組み(IPEE)閣僚級会合(8-9日)も注目される。主な経済指標の発表予定は5日の8月日経インド製造業PMI(購買担当者景気指数)など。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:モーニングスター社

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