【深センIPO】リチウムイオンポータブル電源メーカーの深セン市華宝能源が6日に公募開始、2454万株発行予定

サーチナ

中国株

2022/9/7 9:08

 深セン証券取引所の創業板への上場を目指している、深セン市華宝能源(301327/深セン)が9月6日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2454万株を発行予定で、公募価格は5日に発表する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は2011年設立の民営企業で、16年に株式会社化した。蓄電向けリチウムイオン電池および付帯製品の研究開発、生産、販売を主業務としている。ポータブル電源、ソーラーパネルが主力製品で、「Jackery」と「電小二」という2つのブランドを展開、中国国内のほか米国、日本、英国、ドイツ、カナダなど世界の多くの国・地域で製品を販売している。JVC、キヤノン、ホーム・デポ、ハーバーフライトツールズなど世界の著名ブランド、小売業者と提携関係を結んでいるほか、ポータブル電源製品がAmazonのベストセラー製品に選ばれる、日本で「防災安全協会推奨品認証」を取得するなど、高い評価を得ている。21年12月期の売上構成は、ポータブル電源が79.82%、ソーラーパネルが19.12%。また、売上の90%前後は海外での販売によるものだ。

 新エネルギー革命に伴い世界的にリチウムイオン電池の需要が急速に高まる中、アウトドアや災害支援に重宝するリチウムイオン電池を用いたポータブル電源の市場も拡大を続けている。中国化学・物理電源業界協会によるデータでは、世界のポータブル電源市場は2016年の6000万元から20年には42億6000万元と、年平均190.28%のペースで成長した。26年には882億3000万元にまで達する見込みであり、市場の潜在力は非常に大きい。

 同社は欧米や日本など世界で広く知られるブランドを持っていること、小売事業者やECプラットフォームなどと良好な関係を構築しており、幅広い販売チャネル、ネットワークを持つこと、高い研究開発力、技術力、世界各国・地域の主要認証を取得している品質の高さ、国内と国外、オンラインとオフラインを組み合わせた販売戦略などを強みとする一方で、ポータブル電源業界自体が発展の初期段階にあり、市場における浸透度がまだまだ低いこと、資金調達の手段が限られていることがなどがボトルネックとなっている。

 また、売上の約90%を占める国外向け販売のうち約半分は米国市場向けであり、米中の政治的、経済的摩擦の激化により業績に大きな影響が生じる可能性があること、製品のラインナップがポータブル用の電源、ソーラーパネルに限られていること、在庫評価額が流動資産の50%前後を占めていること、競争の激化、原材料や輸送コストの上昇による利益率低下といったリスクが存在する。

 2021年12月期の売上高は23億1514万元(前期比2.16倍)、純利益は2億7930万元(同19.46%増)。22年1〜6月期の売上高は13億1468万元(前年同期比35.77%増)、純利益は1億6040万元(同2.20%増)。(編集担当:今関忠馬)(写真:123RF)

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