【上海IPO】磁気浮上式遠心送風機メーカーの南京磁谷科技が8日に公募開始、1782万株発行予定

サーチナ

中国株

2022/9/9 9:10

 上海証券取引所の科創板への上場を目指している、南京磁谷科技(688448/上海)が9月8日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。1782万株を発行予定で、公募価格は32.9元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は2006年設立の民営企業で、20年に株式会社化して現社名となった。磁気浮上流体機械および磁気軸受、高速モーター、高速駆動装置などの研究開発、生産、販売を主業務としている。主要製品は磁気浮上式の遠心送風機、エアコンプレッサー、チラーユニットなど。非接触による高い耐久性、高速で高効率、省エネといった特徴を持ち、汚水処理、科学工業、印刷、食品、製薬、製紙、電子、機械製造、建築などの分野に幅広く利用されている。21年12月期における売上構成は、磁気浮上式遠心送風機が94.02%、磁気浮上式エアコンプレッサーが4.17%、磁気浮上式チラーユニットが0.94%となっている。

 2020年、同社は762台の磁気浮上式遠心送風機を生産し、2億4355万元を売上げた。同社の統計によれば、中国の遠心式送風機市場におけるシェアは生産量ベースで7.39%、売上高ベースで7.73%だ。また送風機市場全体におけるシェアは生産量ベースで0.85%、売上高ベースで4.75%となっている。

 中国では省エネ、エネルギー消費の削減が経済のモデルチェンジの大きな柱となっているが、中国国内で現在使用されている送風機の多くは効率が低く、エネルギー消耗が大きい従来型の製品である。旧式送風機の老朽化と環境保護意識の高まりに伴い、省エネ性、効率、故障率の低さといった強みを持つ磁気浮上式遠心送風機の導入が各分野で進んでいる。特に同社の製品は汚水処理分野で広く利用されており、中国国内の汚水処理場数は2016年の3552カ所から20年には4326カ所に増え、25年には5565カ所に達する見込みであることから、今後も安定的な需要増が見込まれる。また、今後のさらなる技術改良、生産コスト低下、国の環境保護政策推進に伴って磁気浮上式遠心送風機の応用分野はますます広がり、一層の市場拡大が期待できそうだ。

 同社設立から15年以上にわたり磁気浮上流体機械、磁気軸受の分野に特化して多くの技術的成果を蓄積してきたほか、国家規格、業界規格の制定に積極的に参加していること、国産のハイエンド送風機ブランドを確立し、業界内において高い知名度を持っていること、海外のブランドに比べてコストパフォーマンスに優れていることなどを強みとする一方で、製品のラインナップに乏しいこと、売上が汚水処理分野に偏っていること、サージノイズが発生する環境下では磁気浮上式遠心送風機が運転できないという技術的な弱点を抱えていることなどがボトルネックとなっている。

 2021年12月期の売上高は3億1160万元(前期比20.90%増)、純利益は5975万元(同23.87%増)。22年1〜6月期の売上高は9836万元(前年同期比2.25%増)、純利益は426万元(同64.46%減)。(編集担当:今関忠馬)(写真:123RF)

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