<新興国eye>トルコ7月失業率、10.1%に低下―雇用拡大ペースは鈍化傾向

新興国

2022/9/14 8:58

 トルコ統計局が12日発表した7月の失業率(季節調整後、15歳以上)は10.1%と、前月(6月)の10.4%を下回り、3カ月連続で低下。18年3月(10.0%)以来、4年4カ月ぶりの低水準となった。1年前のコロナ禍の21年7月の11.5%やコロナ禍前の19年7月の13.9%を大きく下回っている。

 年代別では15-24歳の若年層の失業率は19.1%と、前月の19.9%を大きく下回り、18年4月(18.4%)以来、4年3カ月ぶりの低水準となった。依然、1年前の21.8%を下回っている。

 しかし、労働供給の余地(活用できていない労働力)を示す、いわゆる未活用労働者比率は22.5%と、前月の20.5%を上回った。1月(22.7%)以来、6カ月ぶりの高水準で、雇用市場のたるみ(労働力などの余剰)が強まった。ただ、コロナ禍により外出制限など規制が強かった21年1月の29.6%を大幅に下回っている。

 失業者数(15歳以上)は前月比11万3000人減の344万5000人と、3カ月連続で減少。前年同月比では30万7000人減と、1年前の水準を下回った。一方、雇用者数は同14万8000人減の3060万8000人と、2カ月連続で減少し、雇用拡大ペースが鈍化した。ただ、前年比では169万7000人増と、雇用回復が続いている。雇用率は47.3%と、前月の47.6%を下回り、2カ月連続で低下したが、前年同月の45.4%を上回っている。

 労働市場参加率は52.6%と、前月の53.1%を下回り、2カ月連続で低下。3月(52.3%)以来、4カ月ぶりの低水準となった。ただ、前年同月の51.2%を1.4ポイント上回っている。

 6月8日に発表されたOECD(経済協力開発機構)の最新の22年世界経済見通しによると、トルコの失業率は22年と23年がいずれも11.8%と予想され、いずれも21年の12%から改善する見通し。

<関連銘柄>

 上場MSエマ<1681.T>

提供:モーニングスター社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ