<新興国eye>前週のロシアRTS指数、ウクライナを巡る地政学的リスクを受け急反落=BRICs市況

新興国

2022/9/26 9:27

 前週(19-23日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の23日終値が前日比2.79%安の1141.81、前週比では16日終値比10.5%安ととなり、急反落した。

 週明け19日は指数が続落。21日まで4営業日続落した。22日は反発。

 週前半は、世銀の最新経済予測で各国中銀による利上げ継続により、世界景気が後退するとの懸念で、海外株安となる中、ロシア市場でも売りが優勢となった。ただ、ブレント原油先物が1バレル当たり91.6ドルに上昇したことが好感され、下げは限定的となった。その後は、ロシア占領下のウクライナ東部で住民投票が23ー27日に実施されるとの報道を受け、西側との緊張が高まり、対ロ制裁が発動されるとの地政学的リスクで売りが一段と強まった。また、政府が財政赤字を埋めるため、輸出業者に課税し、約1.4兆ルーブルの資金調達を計画しているとの一部報道も売りを強めた。

 週後半は、ウクライナ情勢をめぐり、プーチン大統領が30万人規模の予備役動員令に署名したことを受け、地政学的リスクが強まり、売りが広がった。その後は、これまでの急激な相場下落を受け、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが活発化した。

 週末23日は反落。ウクライナ東部で住民投票が開始されたことを受け、西側との緊張が一段と高まるとの懸念や、FRB(米連邦準備制度理事会)を始め、イングランド銀行(英中銀)、トルコ、インドネシア、スイスなど各国中銀が一斉に追加利上げを実施したことを受け、世界景気後退懸念が強まり、売りが優勢となった。原油価格も86ドルを割り込んだことで相場が押し下げられた。

 今週(26-30日)のロシア市場は、引き続き、ロシア・ウクライナ戦争や西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える27日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や28日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は28日の8月鉱工業生産と8月小売売上高、8月失業率など。RTS指数は1050-1250の値動きが予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:モーニングスター社

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