来週の東京外国為替市場見通し=米9月CPI受けFRBの大幅利上げ観測が再燃
予想レンジ:1ドル=145円00銭-150円00銭
10月10-13日のドル・円は上昇した。週初10日は、前週末発表の米9月雇用統計が堅調でFRB(米連邦準備制度理事会)の積極的な金融引き締めが改めて意識され、ドルが買われた。11日、ベイリーBOE(イングランド銀行、英中銀)総裁が緊急の英国債購入を予定通り終了すると発言し、ポンド売り・ドル買いとなりドル・円の上昇に波及。日本の為替介入が警戒され上値は重かったが、12日にかけて1ドル=146円台まで上昇した。12日には米9月PPI(生産者物価指数)が市場予想を上回りインフレが警戒されたほか、訪米中の黒田東彦日銀総裁が日本の金融緩和の継続を改めて表明し、ドル買い・円売りが強まった。13日、米9月CPI(消費者物価指数)が市場予想を上回り、米長期金利が上昇し1ドル=147円台後半まで買われ、1990年以来約32年ぶりのドル高・円安水準を付けた。
直近公表の9月開催FOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨を受け一時はFRBによる利上げ幅に鈍化観測が広がったが、その見方も強い米9月CPIを受け後退し、大幅利上げへの思惑が改めて強まった。米長期金利が4%近傍を推移する中、足元の米経済指標やこれから本格化する米企業決算を確認しながら、1ドル=150円の大台をうかがう展開となりそうだ。
経済指標では、14日に米9月小売売上高、米10月ミシガン大学消費者信頼感指数の発表が控え、週明け以降は米10月ニューヨーク連銀製造業景況指数、米9月鉱工業生産、米9月住宅着工件数、米9月中古住宅販売件数などの発表が予定されるほか、ベージュブック(米地区連銀経済報告)も公表される。複数のFRB高官の講演内容にも注意したい。また、日本の為替介入が警戒され上値が重くなる場面もありそうだが、日銀が目先的に金融緩和姿勢を修正するとは考えにくく、ドル高・円安基調が大きく転換する可能性は低いと見ている。
ドル・円はチャート上で、1ドル=150円をにらんだ動きを予想。一方、急ピッチで上昇した反動が出ることも見込まれ、下方向では心理的フシとなる1ドル=145円が意識されそうだ。
提供:モーニングスター社
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