米10月コアCPI、前月比0.3%上昇―前年比6.3%上昇、市場予想下回る

経済

2022/11/11 8:56

<チェックポイント>

●全体指数は前月比0.4%上昇、前年比7.7%上昇

●輸送サービスが急減速―シェルター価格は上昇も家賃価格の伸び減速

●次回12月FOMCで利上げ幅0.50ポイントとの見方強まる

 米労働省が10日に発表した10月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコアCPI(価格変動が激しいエネルギーと食品を除く)が前月比0.3%上昇と、9月の0.6%上昇から急減速。前年比も6.3%上昇と、9月の6.6%上昇を下回り、いずれも市場予想(平均値は前月比0.5%上昇、前年比6.5%上昇)を下回った。

 また、エネルギーと食品を含めた全体指数(季節調整後)も、前月比0.4%上昇、前年比7.7%上昇となり、どちらも市場予想(平均値は前月比0.4%上昇、前年比7.7%上昇)を下回った。

 前月比では、輸送サービスが急減速。このうち、自動車保険料は上昇がやや加速したものの、自動車修理の伸びが鈍化したほか、航空運賃は低下に転じた。また、新車が減速し、中古車は3カ月連続で低下。アパレルは2カ月連続で低下した。メディカルケアサービス(処方せん代や病院治療費)は低下に転じた。

 他方、CPIの構成ウエートの約3分の1を占める、家賃やホテル宿泊料などのシェルター価格(家賃・宿泊費)は前月を上回る伸びとなったが、ホテル宿泊料が急上昇したためで、家賃は伸びが減速した。

 エネルギーは、OPEC(石油輸出国機構)プラスによる減産の影響もあって原油価格が急騰し、ガソリン価格を中心に急上昇したが、食品は伸びが減速した。

 前年比でも、新車や中古車、アパレルやメディカルケアサービスの伸びが鈍化。食品、エネルギーも前月から減速した。ただ、シェルター価格のうち、家賃が高い伸びを維持したほか、航空運賃も高い伸びとなった。

12月(0.5%上昇)以来、10カ月ぶりの低い伸びとなった。

 今回のCPIを受けて、12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利上げ幅が0.50ポイントにとどまるとの見方が増えた。統計発表直後、ニューヨーク市場では、ダウ工業株30種平均先物が急騰した一方、10年国債利回りは急落している。

提供:モーニングスター社

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