日経平均754円高と3日ぶり大幅反発、米利上げ減速期待で買い優勢、2万8000円超える=11日前場

 11日前場の日経平均株価は前日比754円65銭高の2万8200円75銭と3日ぶりに大幅反発。取引時間中で2万8000円を超えるのは9月14日以来約2カ月ぶりとなる。朝方は、買い優勢で始まった。10日発表の米10月CPI(消費者物価指数)が市場予想を下回り、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げペースの減速が期待され、米国株式が急反発。これを受け、先物買いを交えて上げ幅を拡大し、一時2万8329円54銭(前日比883円44銭高)まで上昇した。その後は、利益確定売りに伸び悩んだが、下値は限定され、引けにかけて2万8200円近辺で推移した。

 なお、この日算出の日経平均先物ミニ・オプション11月限SQ(特別清算指数)の市場推定値は2万8225円86銭。東証プライムの出来高は9億5138万株、売買代金は2兆7742億円。騰落銘柄数は値上がり1222銘柄、値下がり549銘柄、変わらず63銘柄。

 市場からは「米CPIの鈍化効果が株高となって表面化した。先行き米金利の低下が見え、バリュエーション(企業価値評価)が拡大し、手がけやすくなってきた。下値は固まり、上値余地を探りに行く可能性が出てきたのはないか」(中堅証券)との声が聞かれた。

 物色傾向は、半導体関連やグロース(成長)株がリード役。業種別では、東エレク<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>、ファナック<6954.T>などの電機株が上昇。エムスリー<2413.T>、リクルートHD<6098.T>、電通グループ<4324.T>などのサービス株も高い。資生堂<4911.T>、富士フイルム<4901.T>、信越化<4063.T>などの化学株や、ブリヂス<5108.T>、TOYO<5105.T>などのゴム製品株も堅調。ダイキン<6367.T>、アマダ<6113.T>などの機械株や、SUMCO<3436.T>、LIXIL<5938.T>などの金属製品株も値を上げた。HOYA<7741.T>、オリンパス<7733.T>、島津製<7701.T>などの精密株も買われた。

 半面、JAL<9201.T>、ANA<9202.T>などの空運株が軟調。マルハニチロ<1333.T>、サカタのタネ<1377.T>などの水産農林株も安く、JR東日本<9020.T>、JR西日本<9021.T>、東急<9005.T>などの陸運株も売られた。

 個別では、日医工<4541.T>、MSJP<6539.T>がストップ高カイ気配となり、オプトラン<6235.T>が一時ストップ高。ペプチドリーム<4587.T>などの上げも目立った。半面、ベネフィット<3934.T>、アリアケ<2815.T>、富士石油<5017.T>、ロート<4527.T>などの下げが目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、25業種が上昇した。

提供:モーニングスター社

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